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安楽寺塔婆・安楽寺見どころ(修学旅行・観光)
安楽寺塔婆
●安楽寺塔婆は1961年(昭和36年)3月23日に国の重要文化財に指定されました。
●安楽寺塔婆は鎌倉時代後期に葛城寺(かつらぎでら)の三重塔として建立されたと言われています。葛城寺は中世まで大規模な伽藍(がらん)を有していたが、近世初頭に衰退したと言われています。三重塔は「葛城寺縁起」によると江戸時代前期の1680年(延宝8年)に損傷が激しく、二重(2階)・三重(3階)・相輪(そうりん)が撤去され、初重(1階)だけが残されました。その後1988年(昭和63年)10月から約2年の保存・修理が行われました。塔婆は大日如来(だいにちにょらい)を安置し、大日堂とも言われています。
大日如来は真言密教の教主で、宇宙の実相を仏格化した根本仏とされています。大日如来は太陽神が起源とされ、宇宙の根元で、諸仏・諸菩薩の本地とされています。なお大日如来は平安時代前期に真言宗の宗祖である弘法大師・空海が密教とともに中国・唐から日本に伝えました。大日如来は日本の密教において最高仏として位置付けられ、大日信仰が成立しました。大日如来は曼荼羅で主座を占め、智を示す金剛界曼荼羅で智拳印、理を示す胎蔵界曼荼羅で法界定印を結んでいます。なお大日如来は神仏習合では太陽神の性格を持つ天照大神と同一視されることもあります。
一般的に三重塔は仏教の祖・お釈迦さまの遺骨(仏舎利)を納める仏塔です。仏塔は紀元前3世紀頃から造られるようになったお釈迦さまの遺骨(仏舎利)を祀る饅頭形(半球形)のストゥーパが起源とも言われています。ストゥーパはインド(天竺)から中国に伝えられると高層の楼閣建築形式になり、朝鮮半島から日本に伝わったと言われています。
葛城寺飛鳥時代に創建されたとも言われています。葛城寺は法隆寺・上宮王院・法起寺・法林寺・中宮寺・施鹿薗寺・熊凝寺・額安寺・牛臥寺・信貴山・放光寺・西安寺・弘導寺・長林寺・般若寺・山田寺・元興寺・菩提寺・妙安寺・定林寺・比曽寺・當麻寺・豊浦寺・坂田寺・龍門寺・大窪寺・日向寺・大后寺・檜前寺・妙教寺・久米寺・広隆寺・六角堂・野中寺・茨田寺・太平寺・御廟寺・四天王寺・百済寺・金剛寺・石塔寺・蒲生寺・阿弥陀寺・観音寺・長命寺・石馬寺・繖寺・味摩寺・勝善寺・般若寺・武作寺・瓦寺・懐堂・太子寺・紫雲寺・真福寺・符神寺などとともに聖徳太子(しょうとくたいし)建立四十六院に数えられたとも言われています。(諸説あり)
●安楽寺塔婆は桁行三間・梁間三間で、宝形造(ほうぎょうづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。
宝形造は隅棟(すみむね)が屋根の中央に集まり、屋根の頂部に水平の棟を作らない屋根形式です。ちなみに宝形造は寄棟造(よせむねづくり)のように雨が四方に流れ落ちます。宝形造の名称は露盤(ろばん)・伏鉢(ふくばち)・宝珠(ほうじゅ))の総称を宝形と言うことに由来しています。なお宝形造は方形造とも言われています。屋根が六角形の場合に六注、八角形の場合に八注と言われています。
本瓦葺は平瓦と丸瓦を交互に組み合わせて屋根を葺く方法です。瓦葺は飛鳥時代に中国・朝鮮半島から寺院建築の技術とともに伝来しました。瓦葺は檜皮葺(ひわだぶき)・茅葺(かやぶき)・板葺(いたぶき)などに比べ耐水性・耐火性に優れ、台風の多い日本に適していました。
安楽寺