栄山寺七重塔・栄山寺見どころ(修学旅行・観光)

栄山寺七重塔

●栄山寺七重塔は1909年(明治42年)4月5日に国の重要文化財に指定されました。
●栄山寺七重塔は平安時代後期(1086年~1184年)に建立されました。七重塔は大日如来(だいにちにょらい)像が安置されている大日堂前に建立されています。七重塔は高さ約360センチで、初層の四面に金剛界(こんごうかい)五仏の内、四仏の梵字(ぼんじ)が薬研彫り(やげんぼり)で刻まれています。北面にアク(不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい))、東面にウン(阿しゅく如来(あしゅくにょらい))、南面にタラク(宝生如来(ほうしょうにょらい))、西面にキリク(阿弥陀如来(あみだにょらい))が刻まれています。ちなみに不空成就如来・阿しゅく如来・宝生如来・阿弥陀如来は大日如来とともに五智如来(ごちにょらい)とも言われています。
一般的に七重塔は仏教の祖・お釈迦さまの遺骨(仏舎利)を納める仏塔です。仏塔は紀元前3世紀頃から造られるようになったお釈迦さまの遺骨(仏舎利)を祀る饅頭形(半球形)のストゥーパが起源とも言われています。ストゥーパはインド(天竺)から中国に伝えられると高層の楼閣建築形式になり、朝鮮半島から日本に伝わったと言われています。
金剛界は胎蔵界(たいぞうかい)とともに密教における二つの世界を表わしています。金剛界の「金剛(バジラ)」は武器を意味していたが、大日如来の真実の智慧(ちえ)を意味するようになりました。大日如来の真実の智慧は堅固で壊れないことから金剛と言われるようになりました。
五智如来は中心の大日如来、北方の不空成就如来、東方の阿しゅく如来、南方の宝生如来、西方の阿弥陀如来から構成されています。五智如来は金剛界五仏のことで、密教での5つの知恵を5体の如来にあてはめたものです。法界体性智(ほうかいたいしょうち)は大日如来、成所作智(じょうそさち)は不空成就如来、大円鏡智(だいえんきょうち)は阿しゅく如来、平等性智(びょうどうしょうち)は宝生如来、妙観察智(みょうかんざつち)阿弥陀如来になります。ちなみに不空成就如来は「オン・アボキャ・シツデイ・アク」、阿しゅく如来は「オン・アキシュビヤ・ウン」、宝生如来は「オン・アラタンノウ サンバンバ・タラク」、阿弥陀如来は「オン・アミリタ・テイセイ・カラ・ウン」、が真言になります。
大日如来は真言密教の教主で、宇宙の実相を仏格化した根本仏とされています。大日如来は太陽神が起源とされ、宇宙の根元で、諸仏・諸菩薩の本地とされています。なお大日如来は平安時代前期に真言宗の宗祖である弘法大師・空海が密教とともに中国・唐から日本に伝えました。大日如来は日本の密教において最高仏として位置付けられ、大日信仰が成立しました。大日如来は曼荼羅で主座を占め、智を示す金剛界曼荼羅で智拳印、理を示す胎蔵界曼荼羅で法界定印を結んでいます。なお大日如来は神仏習合では太陽神の性格を持つ天照大神と同一視されることもあります。
栄山寺

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