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不退寺南門・不退寺見どころ(修学旅行・観光)
不退寺南門
●不退寺南門は1904年(明治37年)2月18日に国の重要文化財に指定されました。
●不退寺南門は棟札によると鎌倉時代後期の1317年(正和6年)に建立されました。1934年(昭和9年)に修理が行われ、多くの墨書銘が確認されました。ちなみに南門は南大門とも言われています。なお南門は南都十五大寺に数えられ、法灯盛んであったことを感じさせる壮大な門で、左右に御所塀(築地塀(ついじべい))が付いています。身柱(しんちゅう)の上に豪壮な板蟇股(いたかえるまた)を載せ、中央の冠木(かぶき)の上に束を中心にして笈形(おいがた)風にいろいろと装飾が施されています。様式は桃山時代の先駆とされています。
一般的に南大門は寺院などで南に面した正門で、中心的な建物に通じる門です。中国では都城や寺院などの建物が南側に面して建てられていることに由来しています。南大門は北・東・西の門よりも大きくなっています。
南都十五大寺は平安時代中期から中世末頃までに朝廷から尊崇を受けた15の大寺のことを言います。古説では南都七大寺に数えられた東大寺(とうだいじ)・興福寺(こうふくじ)・薬師寺(やくしじ)・元興寺’がんごうじ)・大安寺(だいあんじ)・西大寺(さいだいじ)・法隆寺(ほうりゅうじ)に新薬師寺(しんやくしじ)・本元興寺(ほんがんごうじ)または法華寺(ほっけじ) ・唐招提寺(とうしょうだいじ)・四天王寺(してんのうじ)・崇福寺(そうふくじ)・弘福寺(こうふくじ)・東寺(とうじ)・西寺(さいじ)を加えたものです。その後の説では南都七大寺に新薬師寺・不退寺(ふたいじ)・法華寺・超証寺 (ちようしようじ・超昇寺) ・竜興寺(りょうこうじ)・唐招提寺・宗鏡寺(すきょうじ)・弘福寺を加えたものです。
●不退寺南門は四脚門(しきゃくもん)で、切妻造(きりつまづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。
四脚門は2本の本柱の前後に2本の控柱を建てた合計4本の柱がある門です。四脚門は寺院の正門に用いられることが多い格式の高い門とされています。四脚門は普通切妻造だが、江戸時代以降に入母屋造の四脚門も造られました。
切妻造は屋根の最頂部の棟(むね)から両側に葺き下ろし、その両端を棟と直角に切った屋根の形式です。切妻造は本を開いて伏せたような形で、平行な面を平(ひら)、棟と直角な面を妻(つま)と言います。切妻造は古くは真屋(まや)とも言われ、伊勢神宮(いせじんぐう)・出雲大社(いずもたいしゃ)などの社殿に採用されています。ちなみに四方向に傾斜する屋根面を持つ寄棟造(よせむねづくり)よりも格式が上とも言われています。
本瓦葺は平瓦と丸瓦を交互に組み合わせて屋根を葺く方法です。瓦葺は飛鳥時代に中国・朝鮮半島から寺院建築の技術とともに伝来しました。瓦葺は檜皮葺(ひわだぶき)・茅葺(かやぶき)・板葺(いたぶき)などに比べ耐水性・耐火性に優れ、台風の多い日本に適していました。
不退寺