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十輪院本堂・十輪院見どころ(修学旅行・観光)
十輪院本堂
●十輪院本堂は1902年(明治35年)4月17日に国の重要文化財、1958年(昭和33年)2月28日に国宝に指定されました。
●十輪院本堂は鎌倉時代前期(1185年~1274年)に建立されました。本堂は背後の覆堂(ふくどう・おおいどう・さやどう)内に安置された石仏龕(せきぶつがん)を拝むための礼堂(らいどう)として建立され、礼堂・灌頂堂(かんじょうどう)などと言われる住宅風仏堂です。なお本堂では1953年(昭和28年)~1955年(昭和30年)に修理が行われ、本来の姿に戻されました。
一般的に本堂は本尊仏を安置する仏堂です。本堂は金堂・根本中堂(中堂)・仏殿などとも言われています。飛鳥時代から平安時代前半に創建された寺院では金堂と言われ、禅宗では仏殿と言われるとこが多いそうです。
一般的に礼堂は本尊を安置する本堂・祖先の位牌を祀る祠堂 (しどう) などの前に設けられた礼拝・読経の為の堂塔です。
石仏龕は石仏を納める厨子(ずし)を意味します。石仏龕は平安時代後期から鎌倉時代前期に南都仏教の教義を基盤に民間信仰の影響を受けて製作されたと言われています。造られたとも言われています。石仏龕は間口268センチメートル・奥行245センチメートル・高さ242センチメートルで、龕中央に本尊である地蔵菩薩(じぞうぼさつ)、その左右に釈迦如来(しゃかにょらい)・弥勒菩薩(みろくぼさつ)を浮き彫りされています。また地蔵菩薩の周りに聖観音(しょうかんのん)・不動明王(ふどうみょうおう)・仁王(におう)・持国天(じこくてん)・多聞天(たもんてん)・五輪塔(ごりんとう)・四天王(してんのう)なども巡らされ、極楽往生を願う地蔵世界を具現しています。
●十輪院本堂は桁行五間・梁間四間で、寄棟造(よせむねづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。本堂は棟(むね)・軒(のき)・低く、仏堂というよりも中世の住宅を思わせる要素が随所に見られます。本堂は正面の間口が広縁(ひろえん)で、蔀戸(しとみど)を用いています。軒まわりは垂木(たるき)を用いずに厚板で軒を支え、柱間の蟇股(かえるまた)が優美な形状をしています。
寄棟造は四方向に傾斜する屋根面を持つ屋根の形式です。寄棟造は大棟(おおむね)の両端から四方に隅棟(すみむね)が降り、2つの台形と2つの二等辺三角形で構成されます。いずれも奈良県の東大寺の大仏殿や正倉院(しょうそういん)・唐招提寺(とうしょうだいじ)の金堂が代表例です。
本瓦葺は平瓦と丸瓦を交互に組み合わせて屋根を葺く方法です。瓦葺は飛鳥時代に中国・朝鮮半島から寺院建築の技術とともに伝来しました。瓦葺は檜皮葺(ひわだぶき)・茅葺(かやぶき)・板葺(いたぶき)などに比べ耐水性・耐火性に優れ、台風の多い日本に適していました。
十輪院(アクセス・見どころ・歴史概要・・・)