松尾寺本堂・松尾寺見どころ(修学旅行・観光)

松尾寺本堂

●松尾寺本堂は1902年(明治35年)7月31日に国の重要文化財に指定されました。
●松尾寺本堂は南北朝時代の1337年(延元2年・建武4年)に再建されました。かつての本堂は鎌倉時代後期の1277年(建治3年)に焼失し、現在の本堂が1337年(建武4年)に再建されたました。1953年(昭和28年)の解体修理の際に屋根裏から焼損した仏像の残欠が発見され、焼失したかつての本堂に安置されていた旧・本尊ではないかとも言われています。本堂は内陣(ないじん)・外陣(げじん)に分かれ、内陣に須弥壇(しゅみだん)と厨子(ずし)が置かれ、鎌倉時代に造仏され、やくよけ観音とも言われる本尊・千手千眼観世音菩薩(せんじゅせんげんかんぜおんぼさつ)を安置しています。本尊は秘仏とされ、1年に一度、11月3日だけに開扉されます。ちなみに内陣では毎日厄除の祈祷が行われ、厄年をはじめ全ての厄除の祈祷が厳修されています。
千手千眼観世音菩薩は観音菩薩があまねく一切の衆生を救う為、千の手と千の目を得たいと誓って得た姿です。千は満数とされ、手と目はその慈悲と救済が無量無辺であることを表わしています。観音菩薩は人々の救いを求める声を聞き、その苦悩から救済すると言われています。観音菩薩は救う相手の姿に応じて千変万化の相となると言われています。「観音経」では様々に姿を変える三十三応化身が説かれています。なお千手観音(千手千眼観世音菩薩)は聖観音・十一面観音・馬頭観音・如意輪観音・准胝観音または不空羂索観音とともに六観音に数えられています。
●松尾寺本堂は桁行五間・梁間五間で、入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。本堂は典型的な中世の真言宗本堂と言われています。本堂は和様(わよう)を基調とした簡素な建築意匠で、頭貫(かしらぬき)・木鼻(きばな)・桟唐戸(さんからと)などに大仏様(だいぶつよう)の様式が取り入れられ、新和様(しんわよう)とも言われています。
入母屋造は切妻造と寄棟造を組み合わせた屋根の形式です。寄棟造の屋根の上に切妻造の屋根を載せた形で、切妻造の四方に庇(ひさし)がついています。京都御所の紫宸殿(ししんでん)のように切妻と寄棟の角度が一続きでないものは錣屋根(しころやね)とも言われています。日本では古くから切妻造は寄棟造よりも格式が上とも言われ、それらの組み合わせた入母屋造は最も格式が高いとも言われています。
本瓦葺は平瓦と丸瓦を交互に組み合わせて屋根を葺く方法です。瓦葺は飛鳥時代に中国・朝鮮半島から寺院建築の技術とともに伝来しました。瓦葺は檜皮葺(ひわだぶき)・茅葺(かやぶき)・板葺(いたぶき)などに比べ耐水性・耐火性に優れ、台風の多い日本に適していました。
松尾寺

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