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談山神社拝殿・談山神社見どころ(修学旅行・観光)
談山神社拝殿
●談山神社拝殿は1977年(昭和52年)1月28日に国の重要文化財に指定されました。
●談山神社拝殿は戦国時代(室町時代後期)の1520年(永正17年)に再建されたとも、江戸時代前期の1619年(元和5年)に再建されたとも言われています。拝殿は明治維新後の神仏分離(しんぶつぶんり)・廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)以前の神仏習合(しんぶつしゅうごう)時代は護国院(ごこくいん)でした。拝殿は中央の天井が伽羅(きゃら)香木で造られています。
一般的に拝殿は神社で祭祀・拝礼を行なう為の社殿です。拝殿は本殿前に建立されるが、拝殿がない神社(伊勢神宮など)や拝殿が2つある神社(伏見稲荷大社など)などがあります。拝殿が2つある場合、手前の拝殿が外拝殿、奥の拝殿が内拝殿と言われます。また拝殿の中央が土間で、通り抜けられる場合には割拝殿と言われます。ちなみに本殿と拝殿の間に幣帛を奉る幣殿が建立される場合もあります。拝殿は一般に本殿よりも大きく建立され、鈴(鈴の緒)や鰐口が設置される場合もあります。拝殿は舞殿・神楽殿などを兼ねる場合もあります。なお拝殿では神職が祭祀を行う際に神職などが着座します。拝殿では参拝者が拝礼を行う際に手前で拍手を打ちます。
伽羅は沈香(じんこう)の中でも特に香りがよいものとされています。沈香はインドから東南アジアの熱帯アジア原産のジンチョウゲ科ジンコウ属の常緑高木です。日本には飛鳥時代前期の595年(推古天皇3年)4月に淡路島に沈香が漂着したのが日本最古の記録で、沈香の伝来とも言われています。沈香は風雨や害虫などによって傷付くと防御策として樹脂を分泌させ、香木になると言われています。沈香は良質のものは比重が大きくなり、水に沈み、そのことが名称の由来になっています。
●談山神社拝殿は懸造(かけづくり)で、前後に軒唐破風(のきからはふ)付きです。拝殿は桁行一間・梁間三間で、入母屋造(いりもやづくり)の檜皮葺(ひわだぶき)です。拝殿は左右に突出部があり、突出部は桁行五間・梁間三間で、両端入母屋造・檜皮葺です。突出部は本殿を囲む特異な形態になっています。
懸造は崖などの高低差が大きい場所に仏堂などを建立する建築様式です。懸造は舞台造・崖造などとも言われています。懸造は平安時代中期には既に行われていたとも言われています。観音霊場では岩を観音菩薩の降臨する霊場・補陀落山に見立てていたとも言われています。
唐破風は弓形のように中央部を丸みをつけ、両端が反りかえった曲線状に造形した破風です。軒唐破風は屋根本体の軒先を丸みを帯びた造形した破風です。向唐破風は屋根本体とは別に出窓のように造形した破風です。
入母屋造は切妻造と寄棟造を組み合わせた屋根の形式です。寄棟造の屋根の上に切妻造の屋根を載せた形で、切妻造の四方に庇(ひさし)がついています。京都御所の紫宸殿(ししんでん)のように切妻と寄棟の角度が一続きでないものは錣屋根(しころやね)とも言われています。日本では古くから切妻造は寄棟造よりも格式が上とも言われ、それらの組み合わせた入母屋造は最も格式が高いとも言われています。
檜皮葺は屋根葺手法の一形式です。檜皮葺では檜(ひのき)の樹皮を用いて屋根を葺きます。檜皮葺は日本以外では見られない日本古来の手法です。檜皮葺は飛鳥時代の668年(天智天皇7年)に滋賀県大津市の廃寺・崇福寺(すうふくじ)の諸堂が檜皮で葺かれた記録が最古の記録です。
談山神社