- Home
- 室生寺本堂・室生寺見どころ(修学旅行・観光)
室生寺本堂・室生寺見どころ(修学旅行・観光)
室生寺本堂
●室生寺本堂は1901年(明治34年)8月2日に国の重要文化財、1952年(昭和27年)3月29日に国宝に指定されました。
●室生寺本堂は鎌倉時代後期の1308年(延慶元年)に建立されました。室生寺本堂は真言密教(しんごんみっきょう)の最も大切な法儀である灌頂(かんじょう)を修することから灌頂堂とも言われています。室生寺本堂には観心寺(かんしんじ)・神咒寺(かんのうじ)とともに日本三如意輪と言われる如意輪観音坐像(重要文化財)が安置され、その前の壁左右に両界曼荼羅(金剛界曼荼羅・胎蔵界曼荼羅)が掛けられています。
一般的に本堂は本尊仏を安置する仏堂です。本堂は金堂・根本中堂(中堂)・仏殿などとも言われています。飛鳥時代から平安時代前半に創建された寺院では金堂と言われ、禅宗では仏殿と言われるとこが多いそうです。
灌頂は密教で頭頂に智水を注ぎ、戒律や資格を授け、仏の位を継承させる儀式です。灌頂はインドで国王の即位・立太子の際にその頭に大海の水を注いだ儀式に由来しています。その後仏教に取入れられ、菩薩が最上の境地に入る際にその頭に智水を諸仏が注ぎ、最上の位に達したことを認める儀式になりました。日本では805年(延暦24年)に天台宗の宗祖である伝教大師(でんぎょうだいし)・最澄(さいちょう)が高雄寺 (たかおでら・神護寺) で行ったのが最初と言われています。
如意輪観音は六観音の一尊です。六観音は千手観音・聖観音(しょうかんのん)・十一面観音(じゅういちめんかんのん)・馬頭観音(ばとうかんのん)・千手観音(せんじゅかんのん)・准胝観音(じゅんでいかんのん)または不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)です。
観音菩薩は菩薩の一尊で、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)・観自在菩薩(かんじざいぼさつ)・救世菩薩(くせぼさつ)・観音さまなどとも言われています。観音菩薩は人々の救いを求める声を聞き、その苦悩から救済すると言われています。観音菩薩は救う相手の姿に応じて千変万化の相となると言われています。「観音経」では様々に姿を変える三十三応化身(さんじゅうさんおうげしん)が説かれています。
曼荼羅は仏・菩薩(ぼさつ)などを体系的に配列して図示し、仏の悟りの境地である宇宙の真理を表したものです。曼荼羅には胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)・金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら・大悲胎蔵曼荼羅)・両界曼荼羅(りょうかいまんだら)などがあります。
●室生寺本堂は桁行五間・梁間五間で、入母屋造(いりもやづくり)の檜皮葺(ひわだぶき)です。
入母屋造は切妻造と寄棟造を組み合わせた屋根の形式です。寄棟造の屋根の上に切妻造の屋根を載せた形で、切妻造の四方に庇(ひさし)がついています。京都御所の紫宸殿(ししんでん)のように切妻と寄棟の角度が一続きでないものは錣屋根(しころやね)とも言われています。日本では古くから切妻造は寄棟造よりも格式が上とも言われ、それらの組み合わせた入母屋造は最も格式が高いとも言われています。入母屋造は法隆寺(ほうりゅうじ)の金堂・唐招提寺(とうしょうだいじ)の講堂に採用されています。
檜皮葺は屋根葺手法の一形式です。檜皮葺では檜(ひのき)の樹皮を用いて屋根を葺きます。檜皮葺は日本以外では見られない日本古来の手法です。檜皮葺は飛鳥時代の668年(天智天皇7年)に滋賀県大津市の廃寺・崇福寺(すうふくじ)の諸堂が檜皮で葺かれた記録が最古の記録です。
室生寺見どころ