法隆寺見どころの簡単まとめ-金堂(国宝)・五重塔(国宝)

法隆寺(Horyu-ji Temple)

法隆寺見どころの修学旅行・観光ガイド

法隆寺見どころを簡単にまとめてポイント解説します。見どころには日本最古と言われる最大のハイライトである美しい五重塔(国宝)・飛鳥時代に再建された貴重な金堂(国宝)・大講堂(国宝)・南大門(国宝)などがあります。また中門・回廊・経蔵・鐘楼・聖霊院・東室・三経院及西室・西円堂・綱封蔵などの見どころもあります。(個別解説下記参照)

法隆寺見どころ(東院伽藍等)

【金堂(国宝)・釈迦三尊-見どころ】

金堂は法隆寺で五重塔に次いで、見る価値があるハイライトです。金堂は1,300年以上の歴史があります。金堂は本堂にあたり、訪れた際には最初にお参りしましょう。

  • 概要:金堂は中の間・東の間・西の間に分かれています。金堂は中の間に聖徳太子の為に造仏された金銅釈迦三尊(しゃかさんぞん)像、東の間に聖徳太子の父・用明天皇の為に造仏された金銅薬師如来座像、西の間に聖徳太子の母・穴穂部間人(あなほべのはしひと)皇后の為に造仏された金銅阿弥陀如来(あみだにょらい)座像を安置しています。金堂は天井に天人(てんにん)と鳳凰(ほうおう)が飛び交う天蓋(てんがい)が釣るされ、壁面に壁画が描かれていました。なお1949年(昭和24年)の解体修理中に行われた壁画模写作業中に火災が発生し、壁画と柱が焼損しました。
  • 歴史:金堂は607年(推古天皇15年)の法隆寺創建時に建立されたが、670年(天智9年)に焼失し、その後7世紀後半(飛鳥時代)に再建されたと言われています。
  • 様式:金堂は一見二階建てに見えるもこし(裳階)付きで、屋根が入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。金堂は上層部に部屋はありません。金堂は正面・奥行が桁行五間・梁間四間です。
  • 調査:2004年(平成16年)の奈良文化財研究所による年輪年代測定により、金堂などに使われているヒノキやスギは飛鳥時代の650年代末から690年代末に伐採されたことが分かりました。
  • 行事:例年1月8日から14日に金堂修正会が行われ、国家安隠・万民豊楽・寺門興降・五穀豊穣などが祈願されます。
  • 豆知識:金堂火災を教訓に1950年(昭和25年)に文化財保護法が施行され、火災のあった1月26日が文化財防火デーになりました。
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【五重塔(国宝)・舎利壺-見どころ】

五重塔は法隆寺で絶対見る価値がある最大のハイライトです。五重塔は1,300年以上の歴史があり、日本最古の五重塔と言われています。五重塔は高さが30メートル以上あり、近付くと高さに圧倒されます。境外からも眺められます。

  • 概要:五重塔は初層内陣の東面・西面・南面・北面に国宝である塔本四面具(とうほんしめんぐ)と言われる塑造(そぞう)の群像を安置しています。五重塔は初層に壁画(重要文化財)が描かれていたが、漆喰(しっくい)が塗られたことなどで剥落し、現在は別途に保存されています。なお五重塔では1926年(大正15年)にガラス製の舎利壺(しゃりつぼ)とそれを納める金製・銀製・響銅(さはり)製の容器から構成された舎利(しゃり)容器が発見されました。
  • 歴史:五重塔は607年(推古天皇15年)の法隆寺創建時に建立されたが、670年(天智9年)に焼失し、その後7世紀後半(飛鳥時代)に再建されたと言われています。五重塔は日本最古で、世界最古の五重塔と言われています。
  • 様式:五重塔は三間五重塔婆(さんげんごじゅうとうば)です。五重塔は初重もこし(裳階)付きで、屋根が本瓦葺です。なお五重塔は初重から五重までの屋根の大きさの逓減率(ていげんりつ)が大きく、五重は初重の約半分になっています。
  • 調査:2004年(平成16年)の奈良文化財研究所による年輪年代測定により、五重塔などに使われているヒノキやスギは飛鳥時代の650年代末から690年代末に伐採されたことが分かりました。また五重塔の心柱(しんばしら)は年輪年代測定により、594年(推古天皇2年)頃に伐採されたと言われています。

【中門(国宝)・金剛力士-見どころ】

  • 概要:中門は左右に日本最古の仁王(におう)像とも言われている塑造金剛力士(こんごうりきし)立像を安置しています。
  • 歴史:中門は607年(推古天皇15年)の法隆寺創建時に建立されたが、670年(天智9年)に焼失し、その後7世紀後半(飛鳥時代)に再建されたと言われています。
  • 様式:中門は四間二戸二重門(しけんにこにじゅうもん)です。中門は屋根が入母屋造の本瓦葺です。中門は正面・奥行が正面四間・側面三間です。

【回廊(国宝)・聖域-見どころ】

  • 概要:回廊には東廻廊・西廻廊があります。回廊は大講堂と東側の鐘楼(しょうろう)・西側の経蔵を繋いでいます。回廊は廊下だけでなく、聖域を区切る役割もあるそうです。
  • 歴史:回廊は金堂などと同じ7世紀後半(飛鳥時代)に建立されたが、大講堂近くの折れ曲がり部分から北側は平安時代に建立されたと言われています。
  • 様式:回廊は屋根が本瓦葺です。東廻廊は正面・奥行が折曲り延長四十二間、西廻廊は折曲り延長四十間です。

【経蔵(国宝)・観勒僧正-見どころ】

  • 概要:経蔵は元々経典を納めていたが、現在は日本に天文学などを伝えたという百済(くだら)の学僧・観勒僧正(かんろくそうじょう)像を安置しています。
  • 歴史:経蔵は奈良時代(710年~793年)に建立されました。
  • 様式:経蔵は二階建ての楼造です。経蔵は屋根が切妻造(きりづまづくり)の本瓦葺です。経蔵は正面・奥行が桁行三間・梁間二間です。

【大講堂(国宝)・薬師三尊-見どころ】

大講堂は法隆寺で見る価値があるハイライトです。大講堂は1,000年以上の歴史があります。大講堂は桁行九間・梁間四間の大きさにも注目です。

  • 概要:大講堂は本尊・薬師三尊(やくしさんぞん)像(国宝)や四天王(してんのう)像(重要文化財)を安置しています。
  • 歴史:大講堂は925年(延長3年)に鐘楼とともに落雷によって焼失し、その後990年(正暦元年)に再建されたと言われています。
  • 様式:大講堂は屋根が入母屋造の本瓦葺です。大講堂は正面・奥行が桁行九間・梁間四間です。

【鐘楼(国宝)・梵鐘(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:鐘楼は経蔵と対称位置に建立されています。鐘楼には奈良時代前期に鋳造された梵鐘を釣っています。梵鐘は年中行事以外には撞かれないそうです。
  • 歴史:鐘楼は925年(延長3年)に大講堂とともに落雷によって焼失し、その後平安時代中期(1005年~1020年)に再建されました。
  • 様式:鐘楼は屋根が切妻造の本瓦葺です。鐘楼は正面・奥行が桁行三間・梁間二間です。

【聖霊院(国宝)・聖徳太子-見どころ】

  • 概要:聖霊院には3つの厨子(ずし)があり、中央の厨子に本尊・聖徳太子像(国宝)、左の厨子に聖徳太子の長子・山背大兄王(やましろのおおえのおう)像(国宝)や兄弟皇子・殖栗王(えくりのおう)像(国宝)、右の厨子に聖徳太子の兄弟皇子・卒末呂王(そまろのおう)像(国宝)や高句麗(こうくり)の僧・恵慈法師(えじほうし)像(国宝)などを安置しています。なお聖霊院では御朱印「以和為貴(和を以て貴しと為す)」などを授与しています。
  • 歴史:聖霊院は元々東室(ひがしむろ)の一部だったが、1284年(弘安7年)に東室の南端部分が聖霊院に改築されました。
  • 様式:聖霊院は屋根が切妻造の本瓦葺です。
  • 行事:聖徳太子の命日である旧暦の2月22日(現在は3月22日~24日)に最大の仏事・お会式(おえしき)が行われ、聖徳太子像がご開帳されます。

【東室(国宝)・僧房-見どころ】

  • 概要:東室(旧僧坊)は元々僧侶が生活する僧坊だったと言われています。東室の東側には僧房である小子房(しょうしぼう)の妻室(つまむろ)があります。
  • 歴史:東室は奈良時代(710年~793年)に建立され、その後修理・改造されました。東室は南端部分が聖霊院になりました。
  • 様式:東室は屋根が切妻造の本瓦葺です。東室は正面・奥行が桁行十二間・梁間四間です。

【三経院及西室(国宝)・聖徳太子-見どころ】

  • 概要:三経院及西室は聖霊院・東室と対称的な位置に建立されています。三経院は阿弥陀如来坐像(重要文化財)・持国天(じこくてん)像(重要文化財)・多聞天(たもんてん)立像(重要文化財)を安置しています。なお三経院の名称は聖徳太子が勝鬘経(しょうまんぎょう)・維摩経(ゆいまきょう)・法華経(ほけきょう)を注釈したことに由来します。
  • 歴史:三経院は1231年(寛喜3年)に西室の南端部を改造して建立されました。
  • 様式:三経院及西室は屋根が本瓦葺の切妻造です。三経院及西室は正面・奥行が桁行十九間・梁間正面五間・背面四間です。
  • 行事:例年夏安居(げあんご)の90日間(5月16日~8月15日)に勝鬘経・維摩経・法華経の講義が行われています。

【西円堂(国宝)・薬師如来-見どころ】

西円堂は法隆寺で見逃せない存在です。西円堂は大和北部八十八ヶ所霊場の第51番札所になっています。西円堂は節分の日に鬼追式(おにおいしき)が行われ、黒鬼・青鬼・赤鬼が現れて松明を投げ、現れた毘沙門天(びしゃもんてん)が鬼を追い払います。

  • 概要:西円堂は本尊・薬師如来坐像(国宝)や十二神将(じゅうにしんしょう)立像(重要文化財)・千手観音(せんじゅかんのん)立像(重要文化財)を安置しています。なお薬師如来坐像は国内最大級の乾漆(かんしつ)像で、峯の薬師と言われていたそうです。
  • 歴史:西円堂は1250年(建長2年)に再建されました。ちなみに西円堂は奈良時代に僧・行基(ぎょうき)が橘夫人(たちばなふじん)の発願によって建立したと言われています。
  • 様式:西円堂は八角円堂(はっかくえんどう)です。西円堂は屋根が本瓦葺です。
  • 行事:例年10月8日に大般若経転読(だいはんにゃてんどく)法要が行われています。

【綱封蔵(国宝)・双倉-見どころ】

  • 概要:綱封蔵(双倉)は高床で、元々正倉院(しょうそういん)と同じ勅封(ちょくふう)の蔵でした。綱封蔵は双倉(ならびぐら)とも言われています。なお法隆寺にはかつて33もの蔵が建ち並んでいたと言われています。
  • 歴史:綱封蔵は平安時代前期(794年~929年)に建立されたと言われています。
  • 様式:綱封蔵は屋根が寄棟造(よせむねづくり)の本瓦葺です。綱封蔵は正面・奥行が桁行九間・梁間三間です。

【食堂(国宝)・薬師如来-見どころ】

  • 概要:食堂(双堂)は本尊・薬師如来坐像(重要文化財)を安置しています。食堂は南側にある細殿(重要文化財)と軒を接していることから双堂(ならびどう)と言われました。
  • 歴史:食堂は奈良時代(710年~793年)に建立されました。食堂は元々寺務所(じむしょ)である政所(まんどころ)だったが、平安時代に僧侶が食事をする食堂に改められたと言われています。
  • 様式:食堂は屋根が切妻造の本瓦葺です。食堂は正面・奥行が桁行七間・梁間四間です。

【南大門(国宝)・総門-見どころ】

南大門は法隆寺で見逃せない存在です。南大門は西院伽藍の南側に建立されています。

  • 概要:南大門は法隆寺の玄関である総門です。南大門は左右に長い築地塀が延びています。
  • 歴史:南大門は1438年(永享10年)に西大門を移して再建されたと言われています。ちなみに南大門は法隆寺創建時に建立されたが、1435年(永享7年)に焼失しました。
  • 様式:南大門は三間一戸八脚門(さんげんいっこはっきゃくもん)です。南大門は屋根が入母屋造の本瓦葺です。南大門はかつて切妻造だったと言われています。

【上御堂(重要文化財)・釈迦三尊-見どころ】

  • 概要:上御堂は釈迦三尊像(国宝)・四天王立像(重要文化財)を安置しています。上御堂は通常非公開だが、例年11月1日~3日に限って一般公開されます。(要確認)
  • 歴史:上御堂は1318年(文保2年)に再建されたと言われています。ちなみに上御堂は奈良時代に第40代・天武天皇(てんむてんのう)の皇子・舎人親王(とねりしんのう)の発願によって建立されたが、989年(永祚元年)に倒壊しました。
  • 様式:上御堂は屋根が入母屋造の本瓦葺です。上御堂は正面・奥行が桁行七間・梁間四間です。

【西園院(本坊)-見どころ】

  • 概要:西園院は本坊(住職の居所)です。西園院は客殿(重要文化財)・上土門(重要文化財)・唐門(重要文化財)などで構成されています。なお西園院は通常非公開です。
  • 歴史:客殿は安土桃山時代、上土門・唐門は江戸時代前期に建立されたと言われています。

【大宝蔵院・百済観音-見どころ】

  • 概要:大宝蔵院は百済観音堂・東宝殿・西宝殿から構成されています。大宝蔵院では百済観音(くだらかんのん・国宝)などの寺宝を収蔵・公開しています。百済観音(観音菩薩(かんのんぼさつ)立像)は日本の仏像には珍しく、八頭身とも、九頭身とも言われる細身のすらりとした姿をしています。百済観音は像高約210.9センチです。
  • 歴史:大宝蔵院は1998年(平成10年)に建設されました。

【法隆寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・法隆寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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