薬師寺の見どころ完全ガイド|五重塔などの観光スポット解説

薬師寺(Yakushi-ji Temple)

薬師寺の見どころまとめ|国宝・重要文化財とおすすめ観光スポット

薬師寺は世界遺産に登録された奈良屈指の観光名所で、観光や修学旅行で絶対訪れたい人気スポットです。薬師寺にはシンボルである東塔・西塔をはじめ、聖観音を祀る東院堂、本堂である金堂など多彩な見どころが揃っています。このページでは文化財やおすすめの観光スポットを分かりやすくまとめて解説し、歴史・建築様式なども交えて紹介します。

【東塔(国宝)の見どころ解説|薬師寺最大の見どころ】

東塔は薬師寺観光で最も有名な見どころで、必ず訪れるべき定番スポットです。東塔は東寺の五重塔・興福寺の五重塔・醍醐寺の五重塔に次いで日本国内で4番目に高い総高約34.1メートルです。東塔は西塔とともに薬師寺のシンボル・ランドマークで、薬師寺の中で一番写真・SNS映えし、人気の撮影スポットになっています。東塔は仏壇の四方に江戸時代に造仏された四仏、四隅に平安時代に造仏された四天王を安置し、厳かな空間になっています。かつては仏教の開祖・お釈迦様の人生を表した釈迦八相の内、前半の四相(因相)を表した塑像(そぞう)を安置していたが、室町時代に破損して仏壇に改められました。
★東塔は730年(天平2年)に創建されました。薬師寺創建時から唯一現存し、薬師寺最古の建物として歴史的価値があります。東塔は藤原京から移築されたのか、710年(和銅3年)の遷都後に平城京で新築されたのかという議論があったが、心柱(しんばしら)が719年(養老3年)に伐採されたことが分かり、平城京で新築された可能性が高まりました。その後地震・台風などで損傷し、度々修理されました。2009年(平成21年)からの解体修理に伴う調査により、心礎(しんそ)・四天柱(してんばしら)・側柱(がわばしら)の礎石(そせき)は創建当初から動かされていないことが分かったのが豆知識です。解体修理後に美しい姿に蘇りました。
★東塔は三間三重塔婆(さんげんさんじゅうとうば)の三重塔だが、各層に裳階(もこし)と言われる小さな屋根(下から1・3・5番目)が取り付けられ、六重塔のように見える独特な建築様式になっています。屋根は本瓦葺(ほんがわらぶき)で、相輪(そうりん)の上部に火災予防の為に水煙(すいえん)が祀られています。東塔は「凍れる音楽」とも評される美しいで知られています。

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【東院堂(国宝)の見どころ解説|東禅院】

東院堂は薬師寺の堂宇の中で唯一国宝に指定され、歴史的価値があります。東院堂は厨子(ずし)に飛鳥時代後期または奈良時代に造仏された本尊・聖観音(しょうかんのん)立像(国宝)を安置しています。
★東院堂は養老年間(717年~724年)に皇女・吉備内親王(きびないしんのう)が元明天皇(げんめいてんのう)の冥福を祈る為に東禅院として創建したが、973年(天禄4年)に火災で焼失しました。現在の東院堂は1285年(弘安8年)に再建され、1733年(享保18年)に南向きから西向きに変えられたと言われています。東院堂は鎌倉時代の貴重な建築物です。
★東院堂は入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺です。東院堂は水害や湿気を避ける為に基檀(きだん)が高くなっています。

【西塔の見どころ解説|薬師寺の新たなシンボル】

西塔は薬師寺の新たなシンボルです。西塔は東塔と高さやデザインなどが少し異なっており、東塔よりも約30センチ高く設計され、500年後に同じ高さになるよう計算されていることが知られています。西塔はお釈迦様の人生を表した釈迦八相の内、後半の四相(果相)を表した諸像を安置しています。西塔・東塔の両塔が存在する寺院はあまり多くなく、貴重な存在で、人気の撮影スポットになっています。
★西塔は1528年(享禄元年)に兵火で焼失しました。現在の西塔は1981年(昭和56年)に伝統様式・技法によって再建されました。
★西塔は三間三重塔婆の三重塔です。西塔は東塔と同じ六重塔のように見える裳階が各層に取り付けられています。
★西塔は東塔とデザインが似ているが、東塔の裳階が白壁に対し、西塔は連子窓(れんじまど)になっています。東塔も当初、連子窓だったが、その後白壁に改修されたそうです。

【金堂の見どころ解説|薬師寺の本堂】

金堂は薬師寺の本堂で、必ず訪れるべきスポットです。金堂は奈良時代の仏教彫刻を代表する本尊・薬師三尊(やくしさんぞん)像(国宝)を安置し、上層の納経蔵に写経を納め、厳粛な雰囲気に包まれています。薬師三尊は薬師寺を訪れた際に最初に参拝したい仏様です。
★金堂は1528年(享禄元年)に兵火で焼失し、その後豊臣家が金堂仮堂を建立したが、1615年(慶長20年)の大阪夏の陣で豊臣家が滅亡すると約400年間仮堂のまま残され、その後金堂仮堂は興福寺に移築され、仮中金堂に改修されました。現在の金堂は1976年(昭和51年)に再建されました。
★金堂は内陣が鉄筋コンクリート造です。

【玄奘三蔵院伽藍の見どころ解説|大唐西域壁画】

玄奘三蔵院伽藍(げんじょうさんぞういんがらん)は主要な白鳳伽藍の北側にあり、訪れたいスポットです。玄奘三蔵院伽藍には玄奘塔・大唐西域壁画殿などがあります。玄奘塔は玄奘三蔵像と玄奘三蔵の頭部の遺骨(頂骨)・真身舎利を祀っています。大唐西域壁画殿には日本画家・平山郁夫(ひらやまいくお)が30年の歳月を掛けて制作した縦約2.2メートル・長さ約49メートルの「大唐西域壁画(だいとうさいいきへきが)」があります。「大唐西域壁画」は傑作で、見逃せない見どころです。
★玄奘三蔵院は1991年(平成3年)に建立されました。
★玄奘塔は八角円堂で、裳階付きです。
★真身舎利は1942年(昭和17年)に中国・南京で日本陸軍が偶然発見し、1944年(昭和19年)に一部が日本仏教会に分けれ、戦後に国外への持ち出しが許可され、埼玉県さいたま市岩槻区の慈恩寺に祀られていたが、1981年(昭和56年)に薬師寺に分骨されました。
★玄奘三蔵院伽藍には本坊寺務所・お写経道場もあり、お写経道場では1968年(昭和43年)から白鳳伽藍復興の為のお写経勧進を行っています。

【大講堂の見どころ解説|薬師寺最大の建物】

大講堂は正面約41メートル・奥行約20メートル・高さ約17メートルの圧巻のスケールで、白鳳伽藍の雄大さを象徴する薬師寺最大の建物です。大講堂は本尊・銅造三尊(弥勒三尊(みろくさんぞん))像(重要文化財)や仏足石(国宝)・仏足跡歌碑(国宝)を安置し、荘厳な雰囲気を体感できます。銅造三尊(弥勒三尊)像の中尊は像高約267センチです。
★大講堂は1528年(享禄元年)に兵火で焼失し、1852年(嘉永5年)に再建されたが、2003年(平成15年)の大講堂再建に伴って解体されました。現在の大講堂は2003年(平成15年)に再建され、約500年振りに最勝会が復興されました。

【南門(重要文化財)の見どころ解説|薬師寺の正門】

南門は南大門跡に建立されている薬師寺の正門です。南門は元々薬師寺西院の西門だったが、その後現在の場所に移築されました。
★南門は1512年(永正9年)に建立されました。
★南門は一間一戸(いっけんいっこ)の四脚門(しきゃくもん)で、屋根が切妻造(きりづまづくり)の本瓦葺です。

【休ヶ岡八幡宮(重要文化財)の見どころ解説|薬師寺の鎮守社】

休ヶ岡八幡宮は薬師寺の鎮守社で、本殿・脇殿に僧形八幡神(そうぎょうはちまんしん)・神功皇后(じんぐうこうごう)・仲津姫命(なかつひめのみこと)を祀っています。休ヶ岡八幡宮の社名は855年(斉衡2年)に大安寺(だいあんじ)の僧・行教(ぎょうきょう)が大分・宇佐八幡宮から八幡神を大安寺八幡宮(元石清水八幡宮)に勧請した際、この地で八幡神が休息したとされることに由来しています。
★休ヶ岡八幡宮は寛平年間(889年~898年)に別当・栄紹が宇佐八幡宮から八幡神を勧請したのが起源と言われています。現在の休ヶ岡八幡宮は1603年(慶長8年)に関白・豊臣秀吉の子・秀頼が再建しました。
★休ヶ岡八幡宮は三間社(さんげんしゃ)流造(ながれづくり)の檜皮葺(ひわだぶき)です。
★若宮社(重要文化財)は休ヶ岡八幡宮の若宮です。若宮社は鎌倉時代後期(1275年~1332年)に建立されたと言われています。若宮社は一間社(いっけんしゃ)春日造(かすがづくり)の檜皮葺です。

【蓮の見どころ解説|西ノ京ロータスロード】

薬師寺は蓮(ハス)の名所で、喜光寺(きこうじ)・唐招提寺(とうしょうだいじ)とともに西ノ京ロータスロードと言われています。ロータス(Lotus)は蓮です。蓮は鐘楼周辺に鉢植えにされて並べられ、例年6月下旬頃から8月中旬頃に見ごろを迎えます。蓮は季節限定の見どころで、美しい蓮の花が見られるのは午前中です。

【本薬師寺跡(特別史跡)の見どころ解説】

本薬師寺跡は橿原市城殿町279(畝傍御陵前駅近く)あります。本薬師寺は中央に金堂、その前に中門・東西塔、その背後に講堂を配し、「薬師寺式伽藍配置」と言われました。金堂の礎石・東西両塔の上壇や塔の心礎などが残され、歴史的価値があります。
★本薬師寺は680年(天武天皇9年)に藤原京右京八条三坊に創建されました。本薬師寺は11世紀初頭(平安時代後期)まで存続していたとも言われています。

【薬師寺の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
●住所:奈良県奈良市西ノ京町457
●アクセス:近鉄橿原線の「西ノ京駅」下車徒歩すぐ、奈良交通バスの「薬師寺」下車徒歩約2分、「薬師寺駐車場」下車徒歩約4分
*参考・・・薬師寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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