室生寺の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識
室生寺の見どころは金堂・五重塔・本堂・弥勒堂・御影堂・紅葉などです。
室生寺の見どころを簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには観音霊場を象徴する懸造の金堂(国宝)、国内で2番目に古く、国内で最も小さい五重塔(国宝)、如意輪観音を安置する本堂(国宝)などがあります。また弥勒堂・御影堂・紅葉等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。
- 観音霊場を象徴する懸造(舞台造)の金堂(国宝)
- 国内で2番目に古く、国内で最も小さい五重塔(国宝)
- 本尊・如意輪観音を祀り、潅頂堂と言われる本堂(国宝)
- 本尊・弥勒菩薩を祀る弥勒堂(重要文化財)
- 弘法大師・空海を祀り、奥の院と言われる御影堂(重要文化財)
【室生寺の歴史・簡単概要】
室生寺は奈良時代(710年~794年)末期に興福寺の僧・賢憬が第50代・桓武天皇の発願により、国家鎮護の寺として創建したと言われています。桓武天皇は宝亀年間(770年~781年)に病気になり、龍神信仰があった室生山で5人が僧が祈祷を修したところ龍神の力で回復したとも言われています。ただ賢憬は793年(延暦12年)に亡くなったことから賢憬の弟子・修円が引き継いだと言われています。また680年(天武天皇9年)に修験道の祖である役行者・役小角が創建し、真言宗の宗祖である弘法大師・空海が中興したという伝承も残されているそうです。
【観音霊場を象徴する懸造(舞台造)の金堂(国宝)】
- 金堂の概要:金堂は五重塔に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。金堂は観音霊場を象徴する建築様式である懸造(かけづくり・舞台造(ぶたいづくり))で、正堂(しょうどう)と礼堂(らいどう)に分かれています。金堂は須弥壇(しゅみだん)に向かって左から十一面観音(じゅういちめんかんのん)立像(国宝)・文殊菩薩(もんじゅぼさつ)立像(重要文化財)・本尊である釈迦如来(しゃかにょらい)立像(国宝)・薬師如来(やくしにょらい)立像(重要文化財)・地蔵菩薩(じぞうぼさつ)立像(重要文化財)を横一列に安置していました。また十二神将(じゅうにしんしょう)立像(重要文化財)も安置していました。(仏像の一部は寶物殿に移されています。)
- 金堂の歴史:金堂は正堂が9世紀後半(平安時代前期)に建立され、鎌倉時代(1185年~1333年)末期に大修理が行われたと言われています。礼堂は1672年(寛文12年)に建て替えられたと言われています。
- 金堂の様式:金堂は段差のある地盤に建立され、礼堂は斜面に張り出した懸造(舞台造)です。金堂は屋根が寄棟造(よせむねづくり)のこけら葺(こけらぶき)です。金堂は正面・奥行が桁行五間・梁間五間です。
【国内で2番目に古く、国内で最も小さい五重塔(国宝)】
- 五重塔の概要:五重塔は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。五重塔は平安時代(794年~1185年)初期に建立され、国内で2番目に古い五重塔です。また五重塔は高さ約16メートルで、国内で最も小さな五重塔です。ただ石段の上に建立されていることから実際の高さよりも高く感じます。五重塔は相輪(そうりん)に水煙(すいえん)はなく、壺状の宝瓶(ほうびょう)と傘状の宝蓋(ほうがい)が取り付けられています。宝瓶には僧・修円が龍神を封じ込めたとも言われているそうです。
- 五重塔の歴史:五重塔は800年(延暦19年)頃に建立されたと言われています。五重塔は7世紀後半に再建されたと言われる法隆寺(ほうりゅうじ)の五重塔に次ぎ、2番目に古い五重塔と言われています。その後鎌倉時代(1185年~1333年)・江戸時代(1603年~1868年)などに修理が行われました。なお五重塔は1998年(平成10年)9月に台風7号による高さ約60メートルの杉の倒木により、北西の屋根に大きな被害を受けました。
- 五重塔の様式:五重塔は三間五重塔婆(さんげんごじゅうとうば)で、屋根が檜皮葺(ひわだぶき)です。五重塔は当初、板葺(いたぶき)だったが、1768年(明和5年)の修理の際に檜皮葺に変えられたそうです。五重塔は初重から五重の屋根までの大きさの逓減率が小さく、五重の屋根は初重の屋根の大きさとほとんど変わりません。
- 五重塔の調査:五重塔は1999年(平成11年)から2000年(平成12年)に行われた修復工事の際、奈良文化財研究所による年輪年代測定により、部材の一部が794年(延暦13年)頃に伐採されたことが分かりました。
【本尊・如意輪観音を祀り、潅頂堂と言われる本堂(国宝)】
- 本堂の概要:本堂は修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。本堂は奥の内陣と手前の外陣に分かれ、内陣に本尊・如意輪観音(にょいりんかんのん)坐像(重要文化財)を安置し、その前の壁左右に両界曼荼羅(金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)・胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら))が掛けられています。なお本堂では灌頂という密教儀式が行われたことから潅頂堂(かんじょうどう)と言われています。本堂は密教化が進んだ象徴とも言われています。
- 本堂の歴史:本堂は密教化が進んだ1308年(延慶元年)に建立されました。
- 本堂の様式:本堂は屋根が入母屋造(いりもやづくり)の檜皮葺です。本堂は正面・奥行が桁行五間・梁間五間です。
【本尊・弥勒菩薩を祀る弥勒堂(重要文化財)】
- 弥勒堂の概要:弥勒堂は本尊・弥勒菩薩(みろくぼさつ)立像(重要文化財)や釈迦如来(しゃかにょらい)坐像(国宝)を安置しています。また弥勒堂は神変大菩薩(じんべんだいぼさつ)像も安置しています。神変大菩薩は修験道(しゅげんどう)の祖である役行者(えんのぎょうじゃ)・役小角(えんのおづの)のことで、山岳信仰の影響を受けていると言われています。(釈迦如来坐像は寶物殿に移されています。)
- 弥勒堂の歴史:弥勒堂は鎌倉時代(1185年~1333年)前期に建立されました。その後室町時代(1336年~1573年)に南向きから東向きに変えられ、江戸時代(1603年~1868年)に大きく改造されたと言われています。
- 弥勒堂の様式:弥勒堂は屋根が入母屋造のこけら葺です。弥勒堂は正面・奥行が桁行三間・梁間三間です。
- 弥勒堂の豆知識:弥勒堂は興福寺別当・修円が興福寺に設けた伝法院が起源で、その後室生寺に移されたと言われています。
【弘法大師・空海を祀り、奥の院と言われる御影堂(重要文化財)】
- 御影堂の概要:御影堂(大師堂)は修学旅行・観光で見逃せません。御影堂は真言宗(しんごんしゅう)の宗祖である弘法大師(こうぼうだいし)・空海(くうかい)を祀っています。御影堂は五重塔近くから400段近い石段を登った先にあることから奥の院と言われています。
- 御影堂の歴史:御影堂は室町時代(1336年~1573年)前期に建立されました。国内に建立されている大師堂の中で、最古級の大師堂とも言われています。
- 御影堂の様式:御影堂は屋根が宝形造(ほうぎょうづくり)の厚板葺(あついたぶき)です。御影堂は正面・奥行が桁行三間・梁間三間です。
【美しい紅葉・圧巻のライトアップ】
- 紅葉の概要:室生寺は奈良を代表する紅葉の名所とされ、ライトアップでは幻想的・神秘的な絶景が見られます。ライトアップはインスタ映えします。室生寺には山内にモミジ・イチョウなどが分布しています。紅葉は例年11月中旬頃から12月上旬頃に見ごろを迎え、紅葉の見ごろに紅葉まつりが行われています。五重塔と紅葉のライトアップが行われます。
【室生寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・室生寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ