唐招提寺の見どころ完全ガイド|金堂などの観光スポット解説

唐招提寺の見どころまとめ|国宝・重要文化財とおすすめ観光スポット
唐招提寺は世界遺産に登録された奈良屈指の観光名所で、観光や修学旅行で絶対訪れたい人気スポットです。唐招提寺には本堂である金堂をはじめ、平城宮の唯一の遺構と言われる講堂、仏舎利を祀る鼓楼など多彩な見どころが揃っています。このページでは文化財やおすすめの観光スポットを分かりやすくまとめて解説し、歴史・建築様式なども交えて紹介します。
【金堂(国宝)の見どころ解説|唐招提寺最大の見どころ】
金堂は唐招提寺観光で最も有名な見どころで、必ず訪れるべき定番スポットです。金堂は奈良時代に当初から金堂として建立された唯一金堂と言われ、歴史的価値があります。金堂は本尊・盧舎那仏(るしゃなぶつ)坐像(国宝)などを安置し、厳粛な空気に包まれています。盧舎那仏は唐招提寺を訪れた際に最初にお参りしたい仏様です。
★金堂は奈良時代(8世紀後半)に鑑真和上(がんじんわじょう)の弟子・如宝(にょほう)が建立しました。2000年(平成12年)から始まった平成の大修理に伴う調査により、781年(天応元年)に伐採されたヒノキが使われていたことが分かったことが豆知識です。屋根西側の鴟尾(しび)は奈良時代(8世紀後半)、東側の鴟尾は1323年(元亨3年)に造られたが、劣化が激しく、平成の大修理の際に新しい鴟尾に代えられました。
★金堂は正面間口の中央が幅約4.7メートルだが、両端が次第に狭くなって幅約3.3メートルになっており、独特な形式です。屋根は寄棟造(よせぬねづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。
【講堂(国宝)の見どころ解説|平城宮唯一の遺構】
講堂は平城宮唯一の遺構で、奈良時代の宮廷建築として大変貴重と言われ、訪れるべきスポットです。講堂は僧侶が習学する場所で、講師・読師(どくし)が座る論義台が置かれ、本尊・弥勒如来(みろくにょらい)坐像(重要文化財)などを安置しています。
★講堂は760年(天平宝字4年)頃に行われた平城宮の改修の際、東朝集殿(ひがしちょうしゅうでん)を移築して建立されたと言われ、歴史的価値があります。その後鎌倉時代に屋根が切妻造(きりづまづくり)から入母屋造(いりもやづくり)に改められたと言われています。
★講堂は入母屋造の本瓦葺です。
【鼓楼(国宝)の見どころ解説|仏舎利】
鼓楼は厨子(ずし)に仏教の開祖・お釈迦様(おしゃかさま)の遺骨・仏舎利(ぶっしゃり)を納めた金亀舎利塔(きんきしゃりとう)を安置し、舎利殿と言われています。鼓楼は鐘楼(しょうろう)の対称位置に建立され、鼓楼と称しているが、太鼓ではなく、仏舎利を祀っています。例年5月19日にうちわまき(梵網会(ぼんもうえ))が催され、楼上から病魔退散・魔除けなどのご利益があるうちわが撒かれ、季節の見どころになっています。
★鼓楼は1240年(仁治元年)に建立されました。
★鼓楼は二階建ての楼造(ろうづくり)で、屋根は入母屋造の本瓦葺です。
★金亀舎利塔は鑑真和上が唐(中国)から請来(しょうらい)した如来舎利三千粒(にょらいしゃりさんぜんりゅう)を納める白瑠璃舎利壺(はくるりしゃりこ)とそれを包む方円彩糸花網(ほうえんさいしかもう)から構成されています。
★唐招提寺には鼓楼の仏舎利を礼拝する礼堂(重要文化財)があります。礼堂は釈迦如来(しゃかにょらい)立像(重要文化財)・日供舎利塔(重要文化財)を安置しています。礼堂は1283年(弘安6年)に僧房(そうぼう)を改築して建立されたと言われています。礼堂は東室と一棟の建物として建立され、南側が礼堂、北側が東室になっています。
【経蔵・宝蔵(国宝)の見どころ解説|校倉造倉庫】
唐招提寺にはいずれも国宝に指定され、校倉造(あぜくらづくり)倉庫である経蔵・宝蔵があり、訪れたいスポットです。
★経蔵は日本最古の校倉造倉庫で、唐招提寺最古の建物と言われ、歴史的価値があります。経蔵は759年(天平宝字3年)の唐招提寺創建前にあった天武天皇(てんむてんのう)の第7皇子・新田部親王(にいたべしんのう)邸の米倉を改造して建立されたと言われています。経蔵は校倉造で、屋根が寄棟造の本瓦葺です。
★宝蔵は経蔵と並んで建立されているが、経蔵よりも一回り大きくなっています。宝蔵は759年(天平宝字3年)の唐招提寺創建時に建立されたと言われています。宝蔵は校倉造で、屋根が寄棟造の本瓦葺です。
【御影堂(重要文化財)の見どころ解説|唐招提寺の聖域】
御影堂は鑑真和上を祀る唐招提寺の聖域です。御影堂は宸殿(しんでん)・殿上(でんじょう)・玄関から構成され、鑑真和上坐像(国宝)を安置し、厳かな空間になっています。また画家・東山魁夷(ひがしやまかい)が描いた鑑真和上坐像厨子扉絵・ふすま絵・障壁画もあります。
★御影堂は1649年(慶安2年)に興福寺(こうふくじ)の別当坊・一乗院(いちじょういん)の宸殿として建立されました。その後一乗院が廃絶すると1962年(昭和37年)までは奈良県庁や奈良地方裁判所の庁舎として使用され、1964年(昭和39年)に唐招提寺に移築されました。
★御影堂は桁行約23.0メートル・梁間約15.1メートルで、屋根が入母屋造の銅板葺(どうばんぶき)です。
【瓊花(けいか)の見どころ解説|御影堂供華園】
瓊花は御影堂供華園(くげえん)に植えられています。瓊花が見ごろを迎える4月中旬頃から5月頃に御影堂供華園が開園し、瓊花は小さな白い花を咲かせます。瓊花は中国・江蘇省揚州市原産のスイカズラ科ガマズミ属の半常緑低木で、八仙花(はっせんか)とも言われています。
★瓊花は1963年(昭和38年)の鑑真和上遷化(せんげ)1,200年の記念事業の一環として、中国仏教協会から贈られました。
【蓮の見どころ解説|西ノ京ロータスロード】
唐招提寺は蓮(ハス)の名所で、喜光寺(きこうじ)・薬師寺(やくしじ)とともに西ノ京ロータスロードと言われています。ロータス(Lotus)は蓮です。蓮は境内2ヶ所の池などに分布し、例年6月下旬頃から8月中旬頃に見ごろを迎えます。蓮は季節限定の見どころで、美しい蓮の花が見られるのは午前中です。なお唐招提寺蓮は鑑真和上が唐(中国)から請来したと言われています。
【新宝蔵の見どころ解説|唐招提寺の博物館】
新宝蔵は唐招提寺の博物館で、所有する大日如来坐像(重要文化財)や旧講堂木彫仏群などを収蔵・展示しています。ただ公開されるのは例年春・秋・年末年始だけです。ただ夏場に臨時公開される場合があります。(要確認)
★新宝蔵は1970年(昭和45年)に建設されました。
★新宝蔵は鉄筋コンクリート造です。
【唐招提寺の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
●住所:奈良県奈良市五条町13-46
●アクセス:近鉄橿原線の「西ノ京駅」下車徒歩約8分
*参考・・・唐招提寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ