唐招提寺の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識
唐招提寺の見どころは金堂・講堂・鼓楼・経蔵・宝蔵・御影堂・蓮などです。
唐招提寺の見どころを簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには本尊を安置し、本堂である金堂(国宝)、平城宮の唯一の遺構と言われる講堂(国宝)、お釈迦様の仏舎利を祀る美しい鼓楼(国宝)などがあります。また経蔵・御影堂・宝蔵等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。
- 本尊・盧舎那仏を祀り、本堂である金堂(国宝)
- 東朝集殿を前身とし、平城宮唯一の遺構と言われる講堂(国宝)
- お釈迦様の遺骨・仏舎利を祀り、舎利殿と言われる鼓楼(国宝)
- 新田部親王邸の米倉を前身とする経蔵(国宝)
- 開山・鑑真和上を祀る御影堂(重要文化財)
【唐招提寺の歴史・簡単概要】
唐招提寺は759年(天平宝字3年)に唐(中国)の渡来僧・鑑真和上が第40代・天武天皇の第7皇子・新田部親王の宅跡を朝廷から下賜され、戒律を学ぶ修行道場として創建したのが起源です。寺号には唐(中国)から来日した鑑真和上の為の寺という意味があります。鑑真和上は東大寺で5年、この地で5年を過ごし、76歳で亡くなりました。当初、新田部親王の旧宅を改造した経蔵や宝蔵、そして講堂などだけだったが、その後8世紀後半に鑑真和上の弟子・如宝が金堂を完成させました。
【本尊・盧舎那仏を祀り、本堂である金堂(国宝)】
- 金堂の概要:金堂は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。金堂は唐招提寺の本堂で、本尊・盧舎那仏(るしゃなぶつ)坐像(国宝)を安置しています。また薬師如来(やくしにょらい)立像(国宝)・千手観音(せんじゅかんのん)立像(国宝)・梵天(ぼんてん)立像・帝釈天(たいしゃくてん)立像・四天王(してんのう)立像なども安置しています。
- 金堂の歴史:金堂は奈良時代(8世紀後半)に鑑真和上(がんじんわじょう)の弟子で、渡来僧・如宝(にょほう)が建立しました。金堂は奈良時代に当初から金堂として建立された唯一金堂と言われています。なお金堂の屋根に置かれていた鴟尾(しび)は劣化が激しく、平成の大修理の際に新しい鴟尾に代えられました。西側の鴟尾は奈良時代(8世紀後半)、東側の鴟尾は1323年(元亨3年)に造られました。
- 金堂の様式:金堂は屋根が寄棟造(よせぬねづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。金堂は正面・奥行が桁行七間・梁間四間です。金堂は正面間口の中央が幅約4.7メートルだが、両端が次第に狭くなって幅約3.3メートルです。
- 金堂の調査:金堂は2000年(平成12年)から開始された平成の大修理に伴う調査により、781年(天応元年)に伐採されたヒノキが使われていたことが分かりました。
【東朝集殿を前身とし、平城宮唯一の遺構と言われる講堂(国宝)】
- 講堂の概要:講堂は金堂に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。講堂は平城宮唯一の遺構と言われ、奈良時代の宮廷建築として貴重と言われています。講堂は僧侶が習学する場所で、講師・読師(どくし)が座る論義台が置かれています。講堂は本尊・弥勒如来(みろくにょらい)坐像(重要文化財)や持国天(じこくてん)立像(重要文化財)・増長天(ぞうちょうてん)立像(重要文化財)などを安置していました。
- 講堂の歴史:講堂は760年(天平宝字4年)頃に行われた平城宮(へいじょうきゅう)の改修の際、東朝集殿(ひがしちょうしゅうでん)を移築して建立されたと言われています。その後鎌倉時代に切妻造(きりづまづくり)から入母屋造(いりもやづくり)に改められたと言われています。
- 講堂の様式:講堂は屋根が入母屋造の本瓦葺です。講堂は正面・奥行が桁行九間・梁間四間です。
- 講堂の行事:例年6月6日に開山忌舎利会(かいざんきしゃりえ)が行われ、舎利会御諱(おんいみな)法要が行われています。
【お釈迦様の遺骨・仏舎利を祀り、舎利殿と言われる鼓楼(国宝)】
- 鼓楼の概要:鼓楼は修学旅行・観光で見逃せません。鼓楼は厨子(ずし)に仏教の開祖・お釈迦様(おしゃかさま)の遺骨・仏舎利(ぶっしゃり)を収めた金亀舎利塔(きんきしゃりとう)を安置しています。鼓楼は舎利殿(しゃりでん)と言われています。なお鼓楼は西側の対称位置に建立されている鐘楼(しょうろう)に対し、鼓楼と言われているが、太鼓ではなく、仏舎利を祀っています。
- 鼓楼の歴史:鼓楼は1240年(仁治元年)に建立されました。
- 鼓楼の様式:鼓楼は二階建ての楼造(ろうづくり)です。鼓楼は屋根が入母屋造の本瓦葺です。鼓楼は正面・奥行が桁行三間・梁間二間です。
- 鼓楼の仏舎利:金亀舎利塔は鑑真和上が唐(中国)から請来(しょうらい)した如来舎利三千粒(にょらいしゃりさんぜんりゅう)を納める白瑠璃舎利壺(はくるりしゃりこ)とそれを包む方円彩糸花網(ほうえんさいしかもう)から構成されています。
- 鼓楼の行事:例年5月19日にうちわまき(梵網会(ぼんもうえ))が行われています。
【新田部親王邸の米倉を前身とする経蔵(国宝)】
- 経蔵の概要:経蔵は修学旅行・観光で見逃せません。経蔵は唐招提寺創建以前の歴史を持ち、山内最古の建物と言われています。また経蔵は校倉倉庫で、日本最古の校倉と言われています。なお経蔵は「招提寺建立縁起」に「地主屋倉」と記された3棟の校倉の内の1棟と言われています。
- 経蔵の歴史:経蔵は759年(天平宝字3年)の唐招提寺創建以前にあった第40代・天武天皇の第7皇子・新田部親王(にいたべしんのう)邸の米倉を改造して建立されたと言われています。
- 経蔵の様式:経蔵は校倉造(あぜくらづくり)です。経蔵は屋根が寄棟造の本瓦葺です。経蔵は正面・奥行が桁行三間・梁間三間です。
【経蔵よりも一回り大きい宝蔵(国宝)】
- 宝蔵の概要:宝蔵は校倉倉庫です。宝蔵は経蔵と並んで建立されているが、経蔵よりも一回り大きくなっています。
- 宝蔵の歴史:宝蔵は759年(天平宝字3年)の唐招提寺創建時に建立されたと言われています。
- 宝蔵の様式:宝蔵は校倉造です。宝蔵は屋根が寄棟造の本瓦葺です。宝蔵は正面・奥行が桁行三間・梁間三間です。
【鼓楼に祀られる仏舎利を礼拝する為の礼堂(重要文化財)】
- 礼堂の概要:礼堂は隣に建立されている鼓楼に安置されている仏舎利を礼拝する為の堂宇です。礼堂は釈迦如来(しゃかにょらい)立像(重要文化財)・日供舎利塔(にくしゃりとう・重要文化財)を安置しています。
- 礼堂の歴史:礼堂は1283年(弘安6年)に僧房(そうぼう)を改築して建立されたと言われています。
- 礼堂の様式:礼堂は屋根が入母屋造の本瓦葺です。礼堂・東室は正面・奥行が桁行十九間・梁間四間です。桁行十九間の内、南八間が礼堂(仏堂)、北十間が東室(ひがしむろ)、礼堂と東室の間の一間が通路である馬道(めどう)です。
【開山・鑑真和上を祀る御影堂(重要文化財)】
- 御影堂の概要:御影堂は重要人物である鑑真和上を祀っています。御影堂は宸殿(しんでん)・殿上(でんじょう)・玄関から構成されています。御影堂は鑑真和上坐像(国宝)を安置しています。御影堂には画家・東山魁夷(ひがしやまかい)が描いた鑑真和上坐像厨子扉絵・ふすま絵・障壁画があります。
- 御影堂の歴史:御影堂は1649年(慶安2年)に興福寺(こうふくじ)の別当坊・一乗院(いちじょういん)の宸殿として建立されました。その後一乗院が廃絶すると1962年(昭和37年)までは奈良県庁や奈良地方裁判所の庁舎として使用され、1964年(昭和39年)に唐招提寺に移築されました。
- 御影堂の様式:御影堂は屋根が入母屋造の銅板葺(どうばんぶき)です。御影堂は正面・奥行が桁行約23.0メートル・梁間約15.1メートルです。
【瓊花(八仙花)が植えられている御影堂供華園】
- 御影堂供華園の概要:瓊花(けいか)は御影堂供華園(くげえん)に植えられています。御影堂供華園は瓊花が見ごろを迎える4月中旬頃から5月頃に特別に開園しています。チャンスがあれば見ましょう。なお瓊花は中国・江蘇省揚州市原産のスイカズラ科ガマズミ属の半常緑低木で、八仙花(はっせんか)とも言われています。瓊花は小さな白い花を咲かせます。
- 御影堂供華園の歴史:瓊花は1963年(昭和38年)の鑑真和上遷化(せんげ)1,200年の記念事業の一環として、中国仏教協会から贈られました。
【喜光寺・薬師寺とともにロータスロードと言われる蓮(ハス)】
- 蓮の概要:唐招提寺は喜光寺(きこうじ)・薬師寺(やくしじ)とともに西ノ京ロータスロードと言われています。ちなみにロータス(Lotus)は蓮です。唐招提寺は蓮(ハス)の名所です。蓮は境内2ヶ所の池などで見ることができます。蓮は例年6月下旬頃から8月中旬頃に見ごろを迎えます。ちなみに蓮の見ごろは午前中と言われています。蓮はインスタ映えします。なお唐招提寺蓮は鑑真和上が唐(中国)から将来したと言われています。
【寺宝を収蔵・展示する新宝蔵】
- 新宝蔵の概要:新宝蔵は所有する大日如来坐像(重要文化財)や旧講堂木彫仏群などを収蔵・展示しています。ただ新宝蔵が公開されるのは例年春・秋・年末年始だけです。ただ夏場に臨時公開される場合があります。(要確認)
- 新宝蔵の歴史:新宝蔵は1970年(昭和45年)に建設されました。
- 新宝蔵の様式:新宝蔵は鉄筋コンクリート造です。
【唐招提寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・唐招提寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ