長岳寺五智堂・長岳寺見どころ(修学旅行・観光)

長岳寺五智堂

●長岳寺五智堂は1908年(明治41年)4月23日に国の重要文化財に指定されました。
●長岳寺五智堂は鎌倉時代後期(1275年~1332年)に建立されました。五智堂は長岳寺から西側約1キロの飛び地境内にあり、その形から傘堂(かさどう)、また四方いずれの方向から見ても正面に見えることから真面堂(まめんどう)とも言われています。五智堂は方一間の全面吹き放しで、真ん中に太い心柱があります。五智堂は心柱を大日如来(だいにちにょらい)に見立て、心柱上部に四仏を表わす梵字額があり、全体で五智如来を表わしています。
大日如来は真言密教の教主で、宇宙の実相を仏格化した根本仏とされています。大日如来は太陽神が起源とされ、宇宙の根元で、諸仏・諸菩薩の本地とされています。なお大日如来は平安時代前期に真言宗の宗祖である弘法大師・空海が密教とともに唐(中国)から日本に伝えました。大日如来は日本の密教において最高仏として位置付けられ、大日信仰が成立しました。大日如来は曼荼羅で主座を占め、智を示す金剛界曼荼羅で智拳印、理を示す胎蔵界曼荼羅で法界定印を結んでいます。なお大日如来は神仏習合では太陽神の性格を持つ天照大神と同一視されることもあります。
五智如来は中心の大日如来・北方の不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)・東方の阿しゅく如来(あしゅくにょらい)・西方の阿弥陀如来(あみだにょらい)・南方の宝生如来(ほうしょうにょらい)から構成されています。五智如来は金剛界五仏のことで、密教での5つの知恵(法界体性智(ほうかいたいしょうち・大日如来)・大円鏡智(だいえんきょうち・阿しゅく如来)・平等性智(びょうどうしょうち・宝生如来)・妙観察智(みょうかんざつち・阿弥陀如来)・成所作智(じょうそさち・不空成就如来))を5体の如来にあてはめたものです。
●長岳寺五智堂は桁行一間・梁間一間で、宝形造(ほうぎょうづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。
宝形造は隅棟(すみむね)が屋根の中央に集まり、屋根の頂部に水平の棟を作らない屋根形式です。ちなみに宝形造は寄棟造(よせむねづくり)のように雨が四方に流れ落ちます。宝形造の名称は露盤(ろばん)・伏鉢(ふくばち)・宝珠(ほうじゅ))の総称を宝形と言うことに由来しています。なお宝形造は方形造とも言われています。屋根が六角形の場合に六注、八角形の場合に八注と言われています。
本瓦葺は平瓦と丸瓦を交互に組み合わせて屋根を葺く方法です。瓦葺は飛鳥時代に中国・朝鮮半島から寺院建築の技術とともに伝来しました。瓦葺は檜皮葺(ひわだぶき)・茅葺(かやぶき)・板葺(いたぶき)などに比べ耐水性・耐火性に優れ、台風の多い日本に適していました。
長岳寺

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