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円成寺鎮守拝殿・円成寺見どころ(修学旅行・観光)
円成寺鎮守拝殿
●円成寺鎮守拝殿は1990年(平成2年)4月11日に奈良市指定文化財に指定されました。
●円成寺鎮守拝殿は棟札によると江戸時代前期の1675年(延宝3年)に建立されました。鎮守拝殿は円成寺の鎮守社である春日堂(国宝)・白山堂(国宝)の拝殿です。ちなみに春日堂・白山堂は鎌倉時代前期の1228年(安貞2年)に春日大社で式年造替(しきねんぞうたい)が行われた際、春日大社から旧社殿(本殿)を拝領し、円成寺の鎮守社として祀ったと言われています。春日堂・白山堂は国内最古の春日造です。
一般的に拝殿は神社で祭祀・拝礼を行なう為の社殿です。拝殿は本殿前に建立されるが、拝殿がない神社(春日大社など)や拝殿が2つある神社(伏見稲荷大社など)などがあります。拝殿が2つある場合、手前の拝殿が外拝殿(げはいでん)、奥の拝殿が内拝殿(ないはいでん)と言われます。また拝殿の中央が土間で、通り抜けられる場合には割拝殿(わりはいでん)と言われます。拝殿は一般に本殿よりも大きく建立され、鈴の緒(すずのお)や鰐口(わにぐち)が設置される場合もあります。拝殿は舞殿・神楽殿などを兼ねる場合もあります。なお拝殿では神職が祭祀を行う際に神職などが着座します。また拝殿では参拝者が拝礼を行う際に手前で拍手を打ちます。
春日大明神は春日大社の祭神である武甕槌命・経津主命・児屋根命・比売神の総称です。春日大明神は春日権現(かすがごんげん)とも言われ、神仏習合の神です。武甕槌命は不空羂索観音、経津主命は薬師如来、児屋根命は地蔵菩薩、比売神は十一面観音を本地仏としています。
白山大権現は石川県にある標高約2,702メートルの白山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神です。白山大権現は十一面観音を本地仏としています。
●円成寺鎮守拝殿は桁行四間・梁行三間(東側二間)で、入母屋造(いりもやづくり)のこけら葺(こけらぶき)です。鎮守拝殿は江戸時代に円成寺が江戸幕府から保護を受けていたことから簡素で優美な意匠をもった上質な建物です。
入母屋造は切妻造と寄棟造を組み合わせた屋根の形式です。寄棟造の屋根の上に切妻造の屋根を載せた形で、切妻造の四方に庇(ひさし)がついています。京都御所の紫宸殿(ししんでん)のように切妻と寄棟の角度が一続きでないものは錣屋根(しころやね)とも言われています。日本では古くから切妻造は寄棟造よりも格式が上とも言われ、それらの組み合わせた入母屋造は最も格式が高いとも言われています。
こけら葺は木材の薄板を使って屋根を葺く方法です。こけら葺は板葺(いたぶき)の一種です。板葺では板厚が2~3ミリの場合にこけら葺、板厚が4~7ミリの場合に木賊葺(とくさぶき)、板厚が1~3センチの場合に栩葺(とちぶき)と言われています。板葺にはヒノキ・サワラ・スギ・エノキ・トクサ・クヌギなどが用いられます。板葺は古墳時代から屋根に用いられるようになったとも言われ、茅葺(かやぶき)に次いで古いとも言われています。
円成寺見どころ