円成寺の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識

円成寺(Enjo-ji Temple)

円成寺の見どころは春日堂・白山堂・本堂・楼門・多宝塔・庭園などです。

円成寺の見どころを簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには国内最古の春日造と言われる春日堂(国宝)・白山堂(国宝)、阿弥陀如来を祀る本堂(重要文化財)、浄土式庭園の遺構と言われる庭園(名勝)などがあります。また楼門・多宝塔等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。

【円成寺の歴史・簡単概要】

円成寺は寺伝によると756年(天平勝宝8年)に唐(中国)の渡来僧・鑑真和上の弟子・虚滝和尚が聖武上皇(第45代・聖武天皇)と第46代・孝謙天皇の勅願によって創建したとも、1026年(万寿3年)に中興の祖・命禅上人が十一面観音像を安置したのが起源とも言われています。1112年(天永3年)に小田原聖と言われた僧・経源が阿弥陀堂を建立して阿弥陀如来像を安置し、1153年(仁平3年)に京都・仁和寺の寛遍上人が東密忍辱山流を立宗したとも言われています。

【国内最古の春日造と言われる春日堂(国宝)・白山堂(国宝)】

  • 春日堂・白山堂の概要:春日堂・白山堂は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。春日堂・白山堂は国内最古の春日造と言われ、蟇股・懸魚などに鎌倉時代(1185年~1333年)前期の特色があると言われています。春日堂・白山堂は春日堂に春日大明神(かすがだいみょうじん)、白山堂に白山大権現(はくさんだいごんげん)を祀っています。
  • 春日堂・白山堂の歴史:春日堂・白山堂は1228年(安貞2年)に春日大社(かすがたいしゃ)で式年造替(しきねんぞうたい)が行われた際、神主・藤原時定(ふじわらのときさだ)から旧殿を拝領して鎮守社(ちんじゅしゃ)として祀りました。春日堂・白山堂は国内最古の春日造(かすがづくり)とも言われています。春日堂・白山堂は歴史的価値があります。1916年(大正5年)の解体修理の際、春日堂から棟札が発見され、1518年(永正15年)から1867年(慶応3年)の間に修理が行われたことが分かりました。
  • 春日堂・白山堂の様式:春日堂・白山堂は一間社(いっけんしゃ)春日造で、屋根が檜皮葺(ひわだぶき)です。
  • 春日堂・白山堂の豆知識:春日堂・白山堂は明治維新後の神仏分離令(ひんぶつぶんりれい)・廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)を免れる為、春日社・白山社ではなく、仏堂風に春日堂・白山堂と称したとも言われています。
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【本尊・阿弥陀如来を祀り、阿弥陀堂と言われる本堂(重要文化財)】

  • 本堂の概要:本堂は修学旅行・観光で見逃せません。本堂は本尊・阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像(重要文化財)、その四方に四天王(してんのう)立像(重要文化財)を安置しています。また本堂は内陣の柱に阿弥陀如来に従って来迎する二十五菩薩(にじゅうごぼさつ)も描かれています。なお本堂は阿弥陀堂とも言われています。
  • 本堂の歴史:本堂は寺伝によると1466年(文正元年)に再建されたとも、棟木銘によると1472年(文明4年)に再建されたとも言われています。なお1958年(昭和33年)からの復元・解体修理により、1112年(天永3年)に建立され、1466年(文正元年)に焼失した旧本堂の規模・様式をそのままに再建されたと言われています。
  • 本堂の様式:本堂は意匠が寝殿造風です。本堂は屋根が入母屋造(いりもやづくり)の銅板葺(どうばんぶき)です。本堂は正面・奥行が正面三間・側面四間です。

【出入口で、阿弥陀如来を表すキリクが刻まれる楼門(重要文化財)】

  • 楼門の概要:楼門は修学旅行・観光で見逃せません。楼門は伽藍への出入口になっています。楼門には阿弥陀如来を表すキリク(梵字(ぼんじ))が刻まれています。
  • 楼門の歴史:楼門は1466年(文正元年)に兵火で焼失し、1468年(応仁2年)に再建されました。
  • 楼門の様式:楼門は三間一戸(さんけんいっこ)の二重門(にじゅうもん)です。楼門は屋根が入母屋造の檜皮葺です。

【祭神・宇賀神を祀る宇賀神本殿(重要文化財)】

  • 宇賀神本殿の概要:宇賀神本殿は春日堂(国宝)・白山堂(国宝)東隣の覆屋(おおいや)内に建立されています。宇賀神本殿は宇賀神(うがじん)を祀っています。
  • 宇賀神本殿の歴史:宇賀神本殿は鎌倉時代後期(1275年~1332年)に建立されたと言われています。宇賀神本殿は春日造の社殿の中で、向拝(こうはい)を唐破風にした奈良県内最古級とも言われています。
  • 宇賀神本殿の様式:宇賀神本殿は一間社春日造で、屋根が檜皮葺です。向拝(こうはい)は唐破風造(からはふづくり)です。

【かつて運慶作の大日如来を祀り、シンボルである多宝塔】

  • 多宝塔の概要:多宝塔は修学旅行・観光で見る価値があります。多宝塔は1176年(安元2年)に仏師・運慶(うんけい)が造仏した大日如来(だいにちにょらい)坐像(国宝)を安置していました。大日如来坐像は本堂に安置されていたが、その後多宝塔に移され、現在は相応殿に移されています。
  • 多宝塔の歴史:多宝塔は1990年(平成2年)に再建されました。ちなみに多宝塔は後白河法皇(第77代・後白河天皇(ごしらかわてんのう))の寄進によって建立されたが、応仁(おうにん)の兵火で焼失しました。その後再建されたが、1920年(大正9年)に老朽化によって鎌倉に移譲されました。

【本尊・不動明王などを祀る護摩堂】

  • 護摩堂の概要:護摩堂は本尊・不動明王(ふどうみょうおう)立像を安置しています。また護摩堂は旧食堂(じきどう)の本尊であった僧形(そうぎょう)文殊菩薩(もんじゅぼさつ)坐像や真言宗(しんごんしゅう)の宗祖である弘法大師(こうぼうだいし)・空海(くうかい)坐像も安置しています。
  • 護摩堂の歴史:護摩堂は1730年(享保15年)に再建されました。その後老朽化し、1994年(平成6年)に改修されました。
  • 護摩堂の行事:護摩堂では毎月28日の縁日に不動明王(ふどうみょうおう)護摩供養(ごまくよう)が行われています。

【貴重な浄土式庭園の遺構と言われる庭園(名勝)】

  • 庭園の概要:庭園は春日堂・白山堂に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値があります。庭園は面積約1,500坪の池泉回遊式庭園です。東西に長く、中央と西に中島があります。庭園ではかつて中央の島に橋が架けられていました。なお庭園は阿弥陀堂前に作庭された浄土式(じょうどしき)庭園として、奥州平泉(岩手県)の毛越寺(もうつうじ)の庭園とともに貴重な遺構と言われています。
  • 庭園の歴史:庭園は平安時代(794年~1185年)末期の寛遍上人(かんぺんしょうにん)の時代に作庭されたとも言われています。明治時代(1868年~1912年)以降に池と伽藍地の間に県道が敷設されて景観が著しく損なわれたが、1961年(昭和36年)に県道が庭園の南側に移され、1976年(昭和51年)に庭園が復元されました。

【円成寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・円成寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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