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春日大社若宮神社・春日大社見どころ(修学旅行・観光)
春日大社若宮神社
●春日大社若宮神社は本殿・拝舎・細殿及び神楽殿が1901年(明治34年)8月2日に国の重要文化財、手水屋が1902年(明治35年)7月31日に国の重要文化財に指定されました。
●春日大社若宮神社本殿は江戸時代後期の1863年(文久3年)の式年造替(しきねんぞうたい)によって建立されました。若宮神社本殿はかつて平安時代後期の1135年(保延元年)に初めて建立されたと言われています。若宮神社本殿には天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)を祀っています。若宮神社本殿は一間社流造(春日造)の檜皮葺です。若宮神社本殿は春日大社本殿とほぼ同じ造りです。
春日造は切妻造(きりづまづくり)の妻入(つまいり)で、正面に庇(ひさし)である階隠(はしかくし)を設け、屋根上(棟)に置き千木(ちぎ)・鰹木(かつおぎ)が付けられています。春日造は仏教建築の影響を受け、奈良時代中期に現れたとも言われています。春日造は奈良市の円成寺(えんじょうじ)の春日堂(国宝)・白山堂(国宝)が最古の例になります。ちなみに春日堂・白山堂は鎌倉時代の1228年(安貞2年)に春日大社の本殿を移築したものと言われています。
流造は神社建築の一形式です。流造は正面入口にあたる屋根の一方(前流れ)が長く延びた形式です。流造は伊勢神宮(いせじんぐう)に代表される神明造(しんめいづくり)から発展し、奈良時代末期から平安時代に成立し、全国に広がりました。流造では上賀茂神社(かみがもじんじゃ)・下鴨神社(しもがもじんじゃ)がよく知られています。流造では正面(桁行)の柱間が1間(柱2本)の場合には一間社流造、3間(柱4本)の場合には三間社流造、5間(柱6本)の場合には五間社流造になります。
檜皮葺は屋根葺手法の一形式です。檜皮葺では檜(ひのき)の樹皮を用いて屋根を葺きます。檜皮葺は日本以外では見られない日本古来の手法です。檜皮葺は飛鳥時代の668年(天智天皇7年)に滋賀県大津市の廃寺・崇福寺(すうふくじ)の諸堂が檜皮で葺かれた記録が最古の記録です。
●春日大社若宮神社拝舎は江戸時代後期の1863年(文久3年)の式年造替(しきねんぞうたい)によって建立されました。若宮神社拝舎では祭礼の際に石畳に神職が座り、神事を行います。若宮神社拝舎は桁行二間・梁間一間で、切妻造の檜皮葺です。
切妻造は屋根の最頂部の棟(むね)から両側に葺き下ろし、その両端を棟と直角に切った屋根の形式です。切妻造は本を開いて伏せたような形で、平行な面を平(ひら)、棟と直角な面を妻(つま)と言います。切妻造は古くは真屋(まや)とも言われ、伊勢神宮(いせじんぐう)・出雲大社(いづもたいしゃ)などの社殿に採用されています。ちなみに四方向に傾斜する屋根面を持つ寄棟造(よせむねづくり)よりも格式が上とも言われています。なお切妻造は世界各地で見られる屋根の形式です。
●春日大社若宮神社細殿及び神楽殿は江戸時代前期の1605年(慶長10年)に建立されました。若宮神社神楽殿はかつて平安時代後期の1135年(保延元年)に初めて建立されたと言われています。若宮神社細殿及び神楽殿は横長の建物で、北から3間が細殿、次の1間が御廊、南の6間が神楽殿になっています。若宮神社神楽殿では祭礼の際に御巫が御神楽を奉納します。若宮神社細殿及び神楽殿は桁行十間・梁間三間で、流造の檜皮葺です。
●春日大社若宮神社手水屋は江戸時代前期の1632年(寛永9年)~1633年(寛永10年)に建立されました。若宮神社手水屋は桁行五間・梁間三間で、流造のこけら葺です。
こけら葺は木材の薄板を使って屋根を葺く方法です。こけら葺は板葺(いたぶき)の一種です。板葺では板厚が2~3ミリの場合にこけら葺、板厚が4~7ミリの場合に木賊葺(とくさぶき)、板厚が1~3センチの場合に栩葺(とちぶき)と言われています。板葺にはヒノキ・サワラ・スギ・エノキ・トクサ・クヌギなどが用いられます。板葺は古墳時代から屋根に用いられるようになったとも言われ、茅葺(かやぶき)に次いで古いとも言われています。飛鳥時代(593年~709年)に建立された法隆寺(ほうりゅうじ)の五重塔(国宝)の屋根にも用いられています。
春日大社見どころ