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岡寺書院・岡寺見どころ(修学旅行・観光)
岡寺書院
●岡寺書院は1986年(昭和61年)1月22日に国の重要文化財に指定されました。
●岡寺書院は江戸時代前期の1644年(寛永21年)に建立されました。書院は1986年(昭和61年)に国の重要文化財に指定されたが、破損が甚だしかったことから翌1987年(昭和62年)から1989年(平成元年)に解体修理が行われ、南面側通りの足固框(かまち)内面から1644年(寛永21年)の墨書きによる落書きが発見されました。この部分は書院を建立する前か、組み立て途中にしか書けないことから書院は1644年(寛永21年)以前に建立されたことが分かりました。書院は主室に床・棚などが備えられ、鉤の手(かぎのて)に四室が設けられた本格的な書院と言われています。書院は背面側の内向き部分がかつて小屋裏を見せた台所風になっており、対面座敷と台所が一棟になった珍しい形式と言われています。
一般的に書院は禅宗寺院で、住持(じゅうじ(住持職・住職))の私室のことです。住持(住持職・住職)は寺院を管掌する最高位の僧侶のことです。室町時代以降に武家・公家の邸の居間兼書斎も書院と言うようになりました。なお書院は中国で書庫・書斎を意味し、日本で鎌倉時代に書見(しょけん)したり、学を講ずる場所を意味するようになり、その後客を応接する対面所を言うようになった。
●岡寺書院は桁行約13.0メートル・梁間約10.0メートルで、切妻造(きりつまづくり)のこけら葺(こけらぶき)です。東面・西面庇付きで、銅板葺(どうばんぶき)です。
切妻造は屋根の最頂部の棟(むね)から両側に葺き下ろし、その両端を棟と直角に切った屋根の形式です。切妻造は本を開いて伏せたような形で、平行な面を平(ひら)、棟と直角な面を妻(つま)と言います。切妻造は古くは真屋(まや)とも言われ、伊勢神宮(いせじんぐう)・出雲大社(いづもたいしゃ)などの社殿に採用されています。ちなみに四方向に傾斜する屋根面を持つ寄棟造(よせむねづくり)よりも格式が上とも言われています。
こけら葺は木材の薄板を使って屋根を葺く方法です。こけら葺は板葺(いたぶき)の一種です。板葺では板厚が2~3ミリの場合にこけら葺、板厚が4~7ミリの場合に木賊葺(とくさぶき)、板厚が1~3センチの場合に栩葺(とちぶき)と言われています。板葺にはヒノキ・サワラ・スギ・エノキ・トクサ・クヌギなどが用いられます。板葺は古墳時代から屋根に用いられるようになったとも言われ、茅葺(かやぶき)に次いで古いとも言われています。
銅板葺は銅を薄くした銅板で屋根を葺く方法です。銅板葺は近世に本格的に始まり、神社・霊廟などに多く用いられています。銅板葺は瓦葺に比べると自重が軽くて耐震性があり、檜皮葺・こけら葺に比べると耐久性があるとい言われています。なお765年(天平宝字9年・天平神護元年)に奈良・西大寺(さいだいじ)で銅板葺が用いられたのが最古の記録とも言われています。
岡寺