法華寺の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識

法華寺(Hokke-ji Temple)

法華寺の見どころは本堂・鐘楼・鐘楼堂・浴室・横笛堂・名勝庭園などです。

法華寺の見どころを個別に簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには本尊を祀る本堂(重要文化財)、光明皇后の伝承が残る浴室(重要有形民俗文化財)、仙洞御所から移された客殿の為に作庭された名勝庭園(名勝)などがあります。また鐘楼も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。

【法華寺の歴史・簡単概要】

法華寺は公卿・藤原不比等の三女で、第45代・聖武天皇の妻・光明皇后(光明子)が父・不比等没後の邸宅を皇后宮とし、その後745年(天平17年)に総国分寺・東大寺に対し、皇后宮を総国分尼寺・法華滅罪之としたのが起源とも言われています。法華滅罪之寺は法華寺と言われるようになりました。光明皇后は皇族以外から初めて天皇の皇后になり、光明皇后が蓮池を歩く姿を写したのが本尊・十一面観音(国宝)とも言われています。

【本尊・十一面観音を祀る本堂(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:本堂は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。本堂は厨子(ずし)に本尊・十一面観音(じゅういちめん)像(国宝)を安置しています。本尊は特別公開以外に厨子が閉じられ、人間国宝・松久朋琳(まつひさほうりん)作の分身像が厨子前に安置されています。1983年(昭和58年)に正面に八角灯籠(はっかくどうろう)1基が建立されました。なお本堂は古くは講堂と言われていました。
  • 歴史:本堂は1601年(慶長6年)に関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)の側室で、豊臣秀頼(とよとみひでより)の生母・淀殿(よどどの)の寄進により、片桐且元(かたぎりかつもと)を奉行として再建されました。高欄(こうらん)の擬宝珠(ぎぼし)に「1601年(慶長6年)」の銘が残されています。なお本堂には天平時代(奈良時代(710年~794年))・鎌倉時代(1185年~1333年)などの古材が一部転用されています。
  • 様式:本堂は寄棟造(よせむねづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。本堂は正面・奥行が桁行七間・梁間四間です。
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【上層に縁や高欄を設けない鐘楼(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:鐘楼(鐘楼堂)は上層に縁や高欄を設けない珍しい形式になっています。
  • 歴史:鐘楼は1602年(慶長7年)に関白・豊臣秀吉の側室・淀殿とその子・豊臣秀頼が再建したと言われています。鬼瓦に「1602年(慶長7年)」の銘が刻まれています。なお鐘楼には古材が一部転用されています。
  • 様式:鐘楼は入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺です。鐘楼は袴腰(はかまごし)付きです。鐘楼は正面・奥行が桁行三間・梁間二間です。

【境内南側に建立され、正門である南門(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:南門は境内の南側に建立されている正門です。
  • 歴史:南門は慶長年間(1596年~1615年)頃に関白・豊臣秀吉の側室・淀殿とその子・豊臣秀頼が建立したと言われています。
  • 様式:南門は四脚門(しきゃくもん)です。南門は切妻造(きりつまづくり)の本瓦葺です。

【光明皇后の伝承が残る浴室(重要有形民俗文化財)-見どころ】

  • 概要:浴室は修学旅行・観光で見逃せません。浴室は光明皇后の伝承から古くは尼僧ではなく、庶民が使用していたそうです。浴室には光明皇后が「我自ら千人の垢を去らん」と発願し、千人の垢を自ら流したという伝説が残されています。千人目は全身がかさぶたで被われた癩(らい)者で、光明皇后が膿を吸うと体はみるみる美しくなり、大光明を放って昇天しました。病人は阿しゅく如来(あしゅくにょらい)の化身だったと言われています。
  • 歴史:浴室は1766年(明和3年)に再建されました。浴室は昭和初期に室戸台風で竃(かまど)が損傷し、2003年(平成15年)に半解体修理が行われました。
  • 様式:浴室は切妻造の桟瓦葺(さんがわらぶき)です。浴室は総高約4メートル・横幅約6メートル・奥行約4メートルです。浴室は正面・奥行が三間・梁間二間です。

【旧東谷家住宅を前身とする光月亭(県指定文化財)-見どころ】

  • 概要:光月亭は旧東谷家住宅です。旧東谷家住宅は取り壊される予定だったが、住職・久我高照(こがこうしょう)門跡が法華寺に移築しました。
  • 歴史:光月亭は江戸時代(1603年~1868年)中期に月ヶ瀬(旧月ヶ瀬村)の庄屋・東谷家住宅として建てられました。1971年(昭和46年)に法華寺に移築され、1973年(昭和48年)に茶室・慶久庵(けいきゅう)が建てられました。
  • 様式:光月亭は入母屋造の茅葺(かやぶき)です。

【横笛と斎藤時頼の悲恋物語が残る横笛堂-見どころ】

  • 概要:横笛堂は山内で最古の建物と言われています。横笛堂は歴史的価値があります。横笛堂にはかつて横笛が手紙の反故(ほご)で自らの姿を表した張り子の横笛像が安置されていました。横笛堂はかつて赤門(東門)を出たすぐ近くにある飛地に建立されていたが、その後赤門東側に移築されました。
  • 歴史:横笛堂は室町時代(1336年~1573年)以前に建立されました。
  • 様式:横笛堂は切妻造の本瓦葺です。横笛堂は正面・奥行が桁行三間・梁間三間です。
  • 豆知識:横笛堂には平清盛(たいらのきよみり)の娘で、第80代・高倉天皇(たかくらてんのう)の皇后、そして第81代・安徳天皇(あんとくてんのう)の生母である建礼門院(けんれいもんいん)の雑仕女・横笛と平清盛の嫡男・平重盛(たいらのしげもり)の家来・斎藤時頼(さいとうときより)との悲恋物語が残されています。

【カキツバタ(燕子花・杜若)が美しい名勝庭園(名勝)-見どころ】

  • 概要:名勝庭園は本堂に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値があります。名勝庭園は面積約500坪の池泉回遊式庭園で、前庭・内庭・主庭から構成されています。名勝庭園では5月にカキツバタ(燕子花・杜若)が見ごろを迎えます。名勝庭園は春季・秋季に期間限定で一般公開され、春には美しいカキツバタを眺めることができます。
  • 歴史:名勝庭園は江戸時代(1603年~1868年)初期または元禄年間(1688年~1704年)に京都・仙洞御所(せんとうごしょ)から移築された客殿の為に作庭されたと言われています。

【法華寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・法華寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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