法隆寺見所ランキング|夢殿など人気スポット解説

法隆寺見所ランキング|夢殿・五重塔・金堂などの解説
法隆寺は世界遺産で、奈良を代表する人気の観光名所です。このページでは観光や修学旅行で法隆寺を訪れた際に絶対に見るべき夢殿・五重塔・金堂などの魅力・歴史・構造・由来などを丁寧にまとめて解説します。見所ランキングは1位が夢殿(国宝)、2位が五重塔(国宝)、3位が金堂(国宝)、番外が大講堂です。(詳細下記参照)
●法隆寺見どころ一覧(西院伽藍)・法隆寺見どころ一覧(東院伽藍等)
【夢殿(国宝)の見所紹介|行信僧都創建】
夢殿は奈良時代前期に創建され、1,300年近い歴史を誇り、国宝に指定されて歴史的価値があります。日本国内最古の八角円堂(はっかくえんどう)と言われています。救世観世音菩薩 (ぐぜかんのんぼさつ)とも言われる本尊・観音菩薩立像は飛鳥時代に造仏され、1,300年以上の歴史があります。夢殿は聖徳太子(しょうとくたいし)一族の住居であった斑鳩宮(いかるがのみや)の旧地に建立され、人気の観光スポットです。夢殿は最大径約11.3メートルの高い二重基壇の上に建立され、その周りを回って拝観するのがおすすめです。周りを回って拝観すると八角円堂である形を実感することができます。なお夢殿の名称は聖徳太子が斑鳩宮で瞑想した建物の名前に由来すると言われています。
●夢殿は739年(天平11年)に行信僧都(ぎょうしんそうず)が聖徳太子を偲び、聖徳太子の菩提(ぼだい)を願って創建した言われています。また737年(天平9年)の「東院資財帳」に「瓦葺八角仏殿一基」と記され、737年(天平9年)以前に創建されたとも言われています。8世紀末(平安時代初期)頃に「夢殿」と言われていたそうです。奈良時代の八角円堂は夢殿と奈良県五條市・栄山寺の八角堂(国宝)だけです。その後度々修理が行われ、1230年(寛喜2年)に屋根の勾配(こうばい)を急にするなどの修理が行われました。ただ創建時の姿に復元できるほど古材が残されていたそうです。1934年(昭和9年)から夢殿などを含む伽藍で昭和の大修理が行われました。なお夢殿は1897年(明治30年)12月28日に国の重要文化財、1951年(昭和26年)6月9日に国宝に指定されました。
●夢殿は廻廊で囲まれた八角円堂で、屋根が本瓦葺(ほんがわらぶき)です。堂内は石敷で、屋根の頂上に露盤宝珠があります。
●夢殿は中央の厨子(ずし)に聖徳太子の等身像と言われている本尊・観音菩薩立像(国宝)を安置しています。また行信僧都坐像(国宝)・道詮律師坐像(国宝)・聖観音立像(重要文化財)も安置しています。観音菩薩立像は長年秘仏とされて白布に包まれ、明治時代初期に岡倉天心(おかくらてんしん)・フェノロサが数百年振りに白布を取ったとも言われています。夢殿では春季(4月中旬頃~5月中旬頃)・秋季(10月中旬頃~11月中旬頃)に夢殿本尊特別開帳が行われています。(要確認)
●斑鳩宮は601年(推古天皇9年)に聖徳太子が造営し、605年(推古天皇13年)に飛鳥から斑鳩宮に移り住み、607年(推古天皇15年)に法隆寺(斑鳩寺)が創建されました。670年(天智9年)に斑鳩宮・法隆寺が焼失し、その後法隆寺が再建されたが、斑鳩宮は荒廃したままだったと言われています。
【五重塔(国宝)の見所紹介|飛鳥時代再建】
五重塔は飛鳥時代に再建され、1,300年以上の歴史を誇り、国宝に指定されて歴史的価値があります。五重塔は日本国内最古の五重塔と言われる人気の観光スポットです。五重塔は近付いて拝観するのがおすすめです。近付いて拝観すると高さ約31.5メートルの高さ・存在感を感じることができます。五重塔は初重の屋根から五重の屋根までの大きさの逓減率が大きく、五重の屋根は初重の屋根の約半分で、屋根の大きさを確認するのもおすすめです。また初重から四重までは柱の間が三間で、五重が二間になっているのも確認しましょう。
●五重塔は607年(推古天皇15年)の創建時に建立されました。670年(天智9年)に焼失し、その後7世紀後半(飛鳥時代)に再建されたと言われています。1926年(大正15年)に心柱下の地中の心礎からガラス製の舎利壺(しゃりつぼ)とそれを納める金・銀・響銅製の容器からなる舎利容器が発見され、調査後に元に戻されました。なお五重塔は1897年(明治30年)12月28日に国の重要文化財、1951年(昭和26年)6月9日に国宝に指定されました。
●五重塔は三間五重塔婆(さんげんごじゅうとうば)で、屋根が本瓦葺です。初重に裳階(もこし)付きです。
●五重塔は初層内陣に仏教の開祖・お釈迦様(おしゃかさま)に関する4つの説話に由来する塔本四面具(国宝)と言われる塑造(そぞう)の群像を安置しています。東面に文殊菩薩と維摩居士、西面に分舎利、南面に弥勒浄土、北面に釈迦の涅槃があります。塑像の粘土は法隆寺近くの土と成分がほぼ等しいことが分かりました。なお五重塔(仏塔)は古代インドでお釈迦様の遺骨・仏舎利を祀るストゥーパを起源としています。
【金堂(国宝)の見所紹介|飛鳥時代再建】
金堂は飛鳥時代に再建され、1,300年以上の歴史を誇り、国宝に指定されて歴史的価値があります。本尊・釈迦三尊像は約1,400年の歴史があります。金堂は法隆寺の本堂で、人気の観光スポットです。金堂は近付いて拝観するのがおすすめです。近付くとその大きさ・建築様式を実感することができます。金堂は三つ屋根があるように見えるが、一番下は重要な堂宇に取り付けられている裳階です。また二階の屋根の軒を支える四方の柱も元禄年間(1688年~1704年)に取り付けられています。四方の柱には龍(昇り龍・降り龍)の彫刻が刻まれ、彫刻も確認しましょう。
●金堂は607年(推古天皇15年)の創建時に建立されました。670年(天智9年)に焼失し、その後7世紀後半(飛鳥時代)に再建されたと言われています。1949年(昭和24年)に解体修理中の壁画(重要文化財)模写作業中に火災が発生し、壁画と柱が焼損しました。焼損した壁画は公開されていないが、世界遺産登録を記念し、1994年(平成6年)に特別公開されました。2004年(平成16年)に奈良文化財研究所は年輪年代測定によると金堂などに使われている部材が650年代末から690年代末に伐採されたと発表しました。なお金堂は1897年(明治30年)12月28日に国の重要文化財、1951年(昭和26年)6月9日に国宝に指定されました。
●金堂は二重仏堂で、屋根が入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺です。裳階付きです。
●金堂は釈迦三尊像(国宝)・薬師如来坐像(国宝)・阿弥陀三尊像(重要文化財)・四天王立像(国宝)・毘沙門天立像と吉祥天立像(国宝)を安置しています。釈迦三尊像は渡来系の仏師・鞍作止利(くらつくりのとり・止利仏師)が造仏し、杏仁形(アーモンド形)の眼・太い耳朶(耳たぶ)など大陸風の像容になっています。
●壁画は和銅年間(708年~715年)以前に描かれたと言われています。壁画は日本の仏教絵画として国際的に著名でした。焼損した壁画と柱は大宝蔵院東側の収蔵庫に保管されています。
【大講堂(国宝)の見所紹介|平安時代再建】
大講堂は平安時代中期に再建され、1,000年以上の歴史を誇り、国宝に指定されて歴史的価値があります。大講堂は法隆寺最大の建物で、人気の観光スポットです。大講堂は近付いて拝観するのがおすすめです。近付くとその大きさを実感することができます。大講堂は桁行の柱の間が九間だが、創建時・再建時には八間で、江戸時代元禄年間(1688年~1704年)の修理の際に西側に増築されて九間に改修され、その歴史も感じることができます。
●大講堂は925年(延長3年)に鐘楼とともに落雷で焼失し、990年(正暦元年)に再建されたと言われています。大講堂はかつて食堂が建立されていた場所で、747年(天平19年)以降に講堂に改められたとも言われています。2009年(平成21年)~2011年(平成23年)に行われた屋根の葺き替え工事の際、東西約49メートル・南北約32メートル・高さ約20メートルの覆屋に覆われました。なお大講堂は1897年(明治30年)12月28日に国の重要文化財、1951年(昭和26年)6月9日に国宝に指定されました。
●大講堂は本尊・薬師三尊(やくしさんぞん)像(国宝)・四天王(してんのう)像(重要文化財)を安置しています。
【法隆寺見所ランキング完全ガイド 備考】
*参考・・・法隆寺(見所・アクセス・・・)ホームページ













