法隆寺の文化財・見どころ-修学旅行・観光の豆知識
法隆寺の文化財・見どころ-夢殿・東大門・伝法堂・絵殿及舎利殿・羅漢堂
法隆寺の文化財・見どころを簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには聖徳太子の等身像と言われる救世観音像を祀る夢殿(国宝)、伝法堂(国宝)、聖徳太子の生涯を描いた作品があった絵殿及舎利殿(重要文化財)などがあります。また東大門・伝法堂も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財の概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。
- 聖徳太子の等身像と言われる救世観音を祀る夢殿(国宝)
- 西院伽藍と東院伽藍の間にある東大門(国宝)
- 奈良時代の住宅遺構と言われる伝法堂(国宝)
- 聖徳太子の生涯を描いた作品があった絵殿及舎利殿(重要文化財)
- 富貴寺から移築された旧富貴寺羅漢堂(重要文化財)
【開基・聖徳太子の等身像と言われる救世観音を祀る夢殿(国宝)】
- 簡単概要:夢殿は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。夢殿は聖徳太子の斑鳩宮(いかるがのみや)の旧地に建立されています。夢殿は中門を改造した礼堂(らいどう)と廻廊(かいろう)に囲まれています。夢殿は厨子(ずし)に聖徳太子の等身像と言われる救世観音(ぐぜかんのん)像(国宝)を安置しています。救世観音像は長年秘仏とされ、白布に包まれていたが、明治時代初期に文人・岡倉天心(おかくらてんしん)とアメリカの東洋美術史家・フェノロサが白布を取ったと言われています。
- 歴史ポイント:夢殿は739年(天平11年)に行信僧都が聖徳太子を偲び、聖徳太子一族の住居であった斑鳩宮の旧地に建立した言われています。その後鎌倉時代に屋根勾配(こうばい)を急にするなどの修理が行われた言われています。
- 様式:夢殿は八角円堂(はっかくえんどう)です。夢殿は屋根が本瓦葺(ほんがわらぶき)です。夢殿は基壇(きだん)が二重で、最大径が約11.3メートルです。
- 行事:例年1月16日から18日に夢殿修正会(しゅしょうえ・上宮王院修正会)が行われ、国家の興隆・寺門の興隆が祈願されます。
【西院伽藍と東院伽藍の間にある東大門(国宝)】
- 簡単概要:東大門(中ノ門)は西院伽藍と東院伽藍の間に建立されています。東大門は中ノ門とも言われています。
- 歴史ポイント:東大門は奈良時代(710年~793年)に建立されました。東大門はかつて鏡池(かがみいけ)の東に南向きに建立されたが、平安時代に現在の場所に移されたと言われています。
- 様式:東大門は三間一戸八脚門(さんけんいっこはっきゃくもん)です。東大門は屋根が切妻造(きりづまづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。
【奈良時代の住宅遺構と言われる伝法堂(国宝)】
- 簡単概要:伝法堂は奈良時代の住宅遺構として重要と言われています。伝法堂は中の間・東の間・西の間に分かれています。伝法堂は中の間・東の間・西の間にそれぞれ乾漆阿弥陀三尊(あみださんぞん)像(重要文化財)を安置しています。伝法堂は床が板張りで、天井は天井板を張らない化粧屋根裏(けしょうやねうら)です。
- 歴史ポイント:伝法堂は奈良時代(710年~793年)に第45代・聖武天皇(しょうむてんのう)の夫人・橘古那可智(たちばなのこなかち)が住居を移して仏堂に改造したと言われています。
- 様式:伝法堂は屋根が切妻造の本瓦葺です。伝法堂は正面・奥行が桁行七間・梁間四間です。
【内部に中宮寺と陰刻された梵鐘を釣る東院鐘楼(国宝)】
- 簡単概要:東院鐘楼は奈良時代に鋳造され、内部に中宮寺(ちゅうぐうじ)と陰刻(いんこく)された梵鐘(ぼんしょう)を釣っています。梵鐘は中宮寺から移されたとも言われています。梵鐘は舎利殿(しゃりでん)の舎利を奉出(ご開帳)する際や法要が行われる際に撞かれたそうです。
- 歴史ポイント:東院鐘楼は鎌倉時代前期(1185年~1274年)に建立されました。
- 様式:東院鐘楼は屋根が入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺です。東院鐘楼は袴腰(はかまごし)付きです。東院鐘楼は正面・奥行が桁行三間・梁間二間です。
【聖徳太子の生涯を描いた作品があった絵殿及舎利殿(重要文化財)】
- 簡単概要:絵殿及舎利殿は修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。絵殿には1069年(延久元年)に摂津(大阪)の絵師・秦致貞(はたのむねさだ)が描いた聖徳太子絵伝の障子(しょうじ)絵(国宝)が飾られていたが、現在は江戸時代に描かれた聖徳太子絵伝が飾られています。聖徳太子絵伝は聖徳太子の生涯を描いた最古の作品と言われています。舎利殿は聖徳太子が2才の春の2月15日に東に向って合掌し、「南無仏(なむぶつ)」と唱えるとその掌中からこぼれ落ちたと言われる舎利(しゃり)一粒を安置しています。
- 歴史ポイント:絵殿及舎利殿は1219年(承久元年)に建立されました。
- 様式:絵殿及舎利殿は屋根が切妻造の本瓦葺です。絵殿及舎利殿は正面・奥行が桁行七間・梁間三間です。
- 行事:舎利殿では例年1月1日から3日間、舎利講が行われて舎利がご開帳されています。
【富貴寺から移築された旧富貴寺羅漢堂(重要文化財)】
- 簡単概要:旧富貴寺羅漢堂(三重塔初層)は西院伽藍から東院伽藍に向かう途中にあります。旧富貴寺羅漢堂は元々、富貴寺にあったが、荒れ果てていたことから侯爵(こうしゃく)・細川護立(ほそかわもりたつ)が寄進しました。
- 歴史ポイント:旧富貴寺羅漢堂は平安時代後期(1086年~1184年)に建立された三重塔の初層と言われています。
- 様式:旧富貴寺羅漢堂は屋根が宝形造(ほうぎょうづくり)の檜皮葺(ひわだぶき)です。旧富貴寺羅漢堂は正面・奥行が桁行一間・梁間一間です。
【ソメイヨシノ・サトザクラなどの桜】
- 簡単概要:法隆寺は桜の名所です。山内にソメイヨシノ・サトザクラ・シダレザクラ・ヤマザクラが植えられています。桜は例年3月下旬から4月上旬に見ごろを迎えます。
【節分の日に行われる鬼追式】
- 簡単概要:鬼追式(おにおいしき)は例年節分の日に行われています。鬼追式では西円堂(国宝)の基壇上で赤鬼・青鬼・黒鬼がそれぞれ所作を行って松明を投げ、その後現れた毘沙門天(びしゃもんてん)が鬼を追い払って鬼の魔性を降伏させます。
- 歴史ポイント:鬼追式は1261年(弘長元年)から行われていると言われています。
【春・秋に行われる夢殿本尊開扉法要】
- 簡単概要:夢殿本尊開扉法要(ゆめでのほんぞんかいひほうよう)は例年4月11日から5月18日・10月22日から11月23日に行われています。夢殿本尊開扉法要では夢殿に安置されている秘仏・救世観音像(国宝)が特別公開されます。
【法隆寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・法隆寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ