東大寺お水取りと江戸幕府第4代将軍・徳川家綱
東大寺お水取りと徳川家綱
東大寺お水取りと徳川家綱を紹介しています。江戸幕府第4代将軍・徳川家綱は1667年(寛文7年)のお水取りの最中に失火で焼失した二月堂を1669年(寛文9年)に援助によって再建させました。ちなみにお水取りは752年(天平勝宝4年)の創始から一度も途切れることなく続けられています。(詳細下記参照)
【東大寺お水取り2025 日程時間(要確認)】
東大寺お水取り2025は2025年(令和7年)3月1日(土曜日)~14日(金曜日)に行われます。なおお松明は19:00から行われます。ただ12日(水曜日)は19:30、14日は18:30から行われます。
東大寺お水取り2025日程
【東大寺お水取り 基礎知識】
東大寺お水取り(おみずとり)・修二会(しゅにえ)・お松明(おたいまつ)は正式には十一面悔過(じゅういちめんけか)と言います。十一面悔過では二月堂(国宝)の本尊・大観音(おおかんのん)と小観音(こがんのん)に罪を懺悔し、鎮護国家・天下泰安・万民豊楽・五穀豊穣などを祈願しました。お水取りは752年(天平勝宝4年)に東大寺の開山・良弁僧正の高弟・実忠(じっちゅう)が始め、以来一度も途切れることなく続けられています。ちなみにお水取りの名称は二月堂の本尊に井戸・若狭井(わかさい)から汲み上げたお香水(おこうずい)を供えたことに由来し、修二会の名称は旧暦の2月に修する法会に由来し、お松明の名称は夜毎松明(たいまつ)に火を灯したことに由来します。
東大寺お水取り2025
【お水取りが行われる二月堂を再建した江戸幕府第4代将軍・徳川家綱】
江戸幕府第4代将軍・徳川家綱(とくがわいえつな)は1669年(寛文9年)に援助により、お水取りが行われる二月堂を再建させました。また江戸幕府の援助によって再建されたとも言われています。
徳川家綱は江戸時代前期の1641年(寛永18年)8月3日(新暦の9月7日)に江戸幕府第3代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)と側室・お楽の方(宝樹院(ほうじゅいん))の間に長男(世子)として江戸城本丸で生まれました。幼名は祖々父で、江戸幕府初代将軍・徳川家康(とくがわいえやす)と同じ竹千代(たけちよ)で、乳母は矢島局(やじまのつぼね)・三沢局(みさわのつぼね)でした。家綱は生まれた時から父・家光によって後継ぎに決められました。父・家光は乳母・春日局(かすがのつぼね)によって育てられ、家光の父で、江戸幕府第2代将軍・徳川秀忠(とくがわひでただ)と母・江(ごう・崇源院(すうげんいん))に寵愛された同母弟・徳川忠長(とくがわただなが)と世継争いがあったことや待望の世子だった為とも言われています。1644年(正保元年)に家綱と名前を改め、1645年(正保2年)に元服し、1650年(慶安3年)に江戸城西の丸に移りました。1651年(慶安4年)4月20日に父・家光が亡くなると同年8月18日に10才で将軍宣下を江戸城で受け、江戸幕府第4代将軍に就任し、内大臣(ないだいじん)にも任じられ、同年12月に江戸城本丸に移りました。家綱以降は祖々父・家康、祖父・秀忠、父・家光と異なり、京都ではなく、江戸で将軍宣下が行われるようにありました。(江戸幕府第15代将軍(最後)・徳川慶喜(とくがわよしのぶ)除く)ちなみに家綱は1663年(寛文3年)に父・家光の13回忌に日光に社参したが、京都には一度も上洛しなかった。家綱は将軍就任当初、幼少将軍であったことから叔父・保科正之(ほしなまさゆき)や父・家光の遺老とも言われる酒井忠勝(さかいただかつ)・松平信綱(まつだいらのぶつな)らに補佐され、由比正雪()事件など慶安の変()などを乗り切りました。また末期養子の禁を緩和したり、人質(証人)を廃止したり、殉死禁止令を出したりして幕府諸制度も整備されました。ちなみに浪人の取り締まりも緩和しました。また商品経済への積極的な対応策として、枡や秤の統一や市場の調査なども行われました。その後家光の遺老が亡くなったり、引退したりし、1666年(寛文6年)に大老に就任した酒井忠清を中心に老中合議制で幕政が運営されました。家綱は幼少から病弱であったことから自ら政治を主導することはなかったと言われています。明暦の大火で江戸城本丸が焼失し、その再建に100万両を要したことや金銀の産出量の低下や海外貿易による海外流出により、財政は急速に悪化しました。家綱は1680年(延宝8年)5月8日(新暦の6月4日)に実子がなく、世継ぎ問題を残したまま40歳で亡くなりました。江戸幕府第5代将軍には末弟で館林藩藩主・徳川綱吉(とくがわつなよし)が館林藩から迎えられました。なお家綱は質素倹約を重んじ、武芸学問を奨励しました。治世29年間で幕府諸制度が整備され、武断政治から文治政治に政策を切り替えられました。
【東大寺お水取りと徳川家綱】
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